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マックス爺のエッセイ風日記

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2018.07.22
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カテゴリ:俳句
~7月の提出句にちなみ~

              

 ボクの名が呼ばれた。「マックスさんはアメリカ人ですか」。センセイが尋ねる。「いいえ日本人です」。とボク。より「日本人」に近づくため、いつもは「真楠」と表記してるのを今月はわざわざ「眞楠」と旧字を使ったのだが。続いて提出句の読み上げ。

           生かされて一日終へて冷奴

  
 
 センセイが言う。「『生かされて』か。まるで修行僧ですね」。「ええそうなんです」。と平気で答えながらもボクは嬉しかった。少しでもセンセイの印象に残ればそれで良い。勿論センセイも「何か」を感じてるから、そんな「言葉アソビ」を楽しんでいるに違いない。「『て』が2つ続いてますね」。受講生の1人が言う。「ええ良いんです。わざとそうしたんです」とボクは返す。

     

 「中七は『一日終へたる』にしましょう。一日は『ヒトヒ』で、辞書にもあります」。「実はそう詠んだのを変えたんです」。「いや、みんな後でそう言うんですよ」とセンセイ。変えたのはウソではなかった。実は7月の提出句は5度も清書し直した苦心の作。たかが「半丁」にも満たない木綿豆腐に、散々てこずった今月の課題作。そんな苦労を知ってるのは、この世にボクだけだ。

  

 提出句の変遷はこうだ。

 1)  冷奴けふもやうやく終はりけり
 2)  冷奴やうやうけふも終はりけり
 3)  やうやくに一日終へたり冷奴  *ひとひ
 4)  生かされて一日終へて冷奴

 この他にも直した。だからもうボクのお腹は、きっと冷奴で満腹状態になっていたはずだ。

     

 ヌサマイさんの中七は「とぎれとぎれの」を「何方よりか」に直された。ヌサマイさんとボクは思わず顔を見合わせて頷いた。なるほどこれは文学的。ヌサマイさんの素敵な山の歌が、こう直されて一層冴えた。

 一方ボクの歌は説明的になり過ぎていたようだ。センセイによれば、初心者が陥り易い欠点とか。「二句一章」のように逆転の発想が俳句には必要の由。一瞬だが、どこか一皮剥けたような気になった。

  

 4月5月とヌサマイさんの隣に座ったボクが先月別な席に座ったのは、ヌサマイさんの指に光るものを見つけたため。左手の薬指。もうガッカリして力が抜けた。そうだったのか。当然ながらそれもあるよね。でも今月は勇気を奮ってヌサマイさんにあることを尋ねた。答えは意外な内容。人生とはまさに不可思議。彼女の知性と人柄は俳句にも良く表れて話も楽しく、ボクにはかけがえのない一時だ。

     

 俳句教室の帰路、司法書士事務所に寄った。前妻との離婚に関し、土地の名義書き換えでお世話になった所。ところが共用道路がまだ前妻との共有になっていたのだ。生憎所長は留守で、帰宅後に電話があった。名義が共有になっていても道路なので何の影響もない由。やれやれ。これで宿題が一つ減った。そして来月こそは何とかヌサマイさんを喫茶店に誘おうと、決意したボクだった。





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Last updated  2018.07.22 00:00:28
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