テーマ:世界への旅(365)
カテゴリ:旅、温泉
~台中市へ向かう車中で~
都市部から郊外へ抜けると、道の両側に背の高い樹木が見えた。ヤシの一種のビンロウジュ(檳榔樹)だ。3年間勤務し、内地へ帰った後も20回は訪れた沖縄。あの見慣れた風景とさほど変わりはない。ただ台湾の方が平地がかなり広い。道路際に色鮮やかな電灯が輝く店が幾つも。「あれは檳榔樹の実を売る店」。陳さんの説明に、旅行客の反応は鈍い。果物でもないのに、なぜそんなことを言うのだろうと。 <檳榔樹の実と種> <キンマの葉> 「キンマ」。陳さんが呟く。それが東南アジアでの嗜好品であることは知っていた。檳榔樹の種をキンマの葉でくるみ、若干の石灰と一緒に口の中で噛む。出た樹液は飲み下さない。石灰が胃に負担をかけるためだ。キンマの葉は薬草で、檳榔樹の種には麻酔性、覚醒効果、興奮性、依存性がある由。吐いた唾は赤か黄色の原色。実、葉、石灰の3点セット全体をもタイ語でキンマと呼ぶ。南アジアも共通とか。それらは帰国後に調べて分かったことだ。 <台南市「彩虹眷村」にて> 私がキンマの名を知っていたことに驚く陳さん。彼は学部で化学を学び、そのために興味を持った由。台南市の「彩虹眷村」(さいこうけんむら)到着。再開発のため放置された家屋に、一人の老人が絵を描いたのが始まり。それが評判になり、市当局は再開発計画を中止して観光の目玉にした由。それにしてもこれで外国から人が呼べるのか不思議。「彩虹眷村」については改めて特集を組む予定。 <台中市のテナント「宮原眼科」> 2番目の訪問地は、台中市内の宮原眼科。名前を聞いて驚く。屋根の上には「宮原眼科」の看板。台湾の人は全く違和感を抱いていない感じ。ここは日本統治時代の建物の外見を生かしながら、内側はモダンなショッピングセンターに改造。店内には若い女性が好むお洒落なグッズで溢れていた。意外性があって日本人には嬉しいが、これが観光ルートとはねえ。ここも後日特集を組む予定。 <台湾随一の名所「日月潭」(にちげつたん)> バスは高速道を南下して台南市へ。ここは卓球の福原愛ちゃんの嫁ぎ先。笑顔が可愛かった愛ちゃんが、今では2児の母だもんね。バスは高速道から山中へ入り、やがて台湾随一の観光地である日月潭(にちげつたん)へ到着。戦前日本が建造したダム湖が、今や観光客が押し寄せる台湾有数の名所とはビックリ。名前は知っていたが、陳さんの説明も見学もほとんどなし。アレレ。 <道教寺院「文武廟」(ぶんぶびょう)> ここは「文武廟」。元の寺はダム湖に沈み、山上の見晴らしの良い場所に新造された由。前殿、中殿、後殿の3段様式の壮大な寺院だ。寺名は孔子などの文人と、関羽などの武人を祀ることからの命名。門前で「法輪功」グループから署名を求められた。中国政府による弾圧に抗議するもの。中国の政治は中国の宗教同様、混とんとして実像が見え難い。文武廟についてもいずれ特集を組む予定でいる。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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