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マックス爺のエッセイ風日記

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2020.07.01
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カテゴリ:園芸・家庭菜園
<紫陽花と俳句>

  

  

  

 今日のテーマは紫陽花。梅雨の時期に相応しい花だ。結構どこの庭にも見かける花でもある。きっとそれだけ日本人の心情に訴え、そのために園芸種として色々改良もされて来たのだと思う。上の3枚はごく近所の紫陽花で、徐々に色が着き出したころの撮影。そこから足を延ばして、幾つか違う花を狙ってみた。それらを以下に並べる。

   

   

   

   

   

 アジサイは漢字だと紫陽花と書くのが一般的だが、俳句では「七変化」とか「四葩」(よひら)とも呼ばれる。「よひら」は3音、あじさいは4音、「しちへんげ」だと5音。作句時の状態に合わせて、3音から5音まであれば、自在に俳句が詠めることからの工夫なのだろうと勝手に思っている。なお旧仮名遣いでは「あじさゐ」と書くように記憶している。

 紫陽花の原産地は日本。幕末に日本を訪れたシーボルトは博物学者としての興味から、日本の草花を標本として採取し、オランダに持ち帰った。当時の紫陽花は「山アジサイ」でガクアジサイの仲間。だがシーボルトが持ち帰ったのを品種改良したのが「西洋アジサイ」と聞く。シーボルトは日本人妻のお滝を偲んで学名を「otakusa」とした。お滝さんがそう表記されたのだ。

 学名はラテン語で付けるのが生物学の約束事。学名の中に密かに日本人妻の名を潜ませたのは良いが、彼が故国に帰国し、結婚して生まれた長男と共に再び日本に来たのが明治。だがお滝は再婚しており、自分を捨てたシーボルトとは会わななかった由。なお彼との間に生まれた女児のイネは、日本人初の女医で産婦人科医となった。そのイネもレイプされて女児を産み、その子も女医となった。

     

 

  

  

  

  

  

 俳句で用いる紫陽花の別名のうち「七変化」アジサイの花が土の成分によって七色に変化することからの命名。また「四葩」(よひら)は四方に対の状態で葉が付くことからの命名。シーボルトがヨーロッパに持ち帰って改良された西洋アジサイは、逆輸入されて主流になっているが、国内で改良された園芸種もある。シーボルトが日本と紫陽花を愛したお陰で、今日たくさんの種類を見られることに感謝したい。

     
 
 鎌倉の長谷寺は紫陽花寺としても有名な古寺。その写真をネットから借用して俳句を詠んだ。

     紫陽花を訪ぬる寺の日暮れかな

     捨て鐘やあじさゐ寺の夕まぐれ

     鐘の音の余韻聞きつつ四葩咲く

     鎌倉や鐘は何処か七変化   *いずこ
    
     鐘の音や雨も止む頃あじさゐ寺

     紫陽花の参道昏き苔の雨    *くらき

     紫陽花と浜辺を臨む寺ありぬ

     長谷寺に紫陽花眠る日暮れかな

     由緒ある寺の紫陽花日は暮れぬ

     紫陽花を訪ねし人や古寺の雨

     浜見ゆるあじさゐ寺の散策路

     紫陽花の夢幾度や明月院    *いくたび

 即興で13句ほど詠めた。長谷寺には行ったことがあるが、紫陽花の時期ではなかった。明月院は訪れてもいない。だが想像力だけでも句は詠める。それが良いかどうかは分らないが、イメージ力を高め、言葉を探すのは俳句には不可欠の作業。思いがけず幾つかの句が生まれたことを素直に喜びたい。人生と俳句の修行の場は、いたるところにある。ただ、それに気づくかどうかだ。さていよいよ今日から7月だ。<続く>





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Last updated  2020.07.01 07:46:48
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