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2011年01月16日
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カテゴリ:惚れ薬
菜の花に桜.jpg

緋毛氈が敷き詰められた幕の中には、出入り口から最も
遠い場所が少し高く仕立ててあります。
それが上座となるのか、そこに座った樋津の大殿さまは
すこぶる上機嫌のようです。

きょうは娘の和枝とその子ども和之助を交えて十名ほど
の従者たちを引き連れた花見、ゆったりとくつろぐ大殿
さまの機嫌が良いのも頷けます。

三年前、乾家老に第一子が誕生するとまもなく樋津家の
当主孝政の婚儀が執り行われました。
その次の年には世継ぎの男子が誕生し、次いで和枝の再
びの懐妊と、たて続けに吉事が続いたために大殿さまの
喜びようは大変なもので

「もう儂なぞ、いつ死のうとも良いのじゃ」

などと言ってはばからないのですが、その言葉とは裏腹
に顔の色艶や張りのある声などは生気に満ちています。

きょうの樋津家の花見の宴には自ら出向き、極上の酒を
角樽に入れたものを献上した桐屋丑蔵なども、

「これ桐屋、おぬしも中々に隅に置けぬ男じゃの。
 聞いておるぞ フォ~ッフォッフォッホ~」
「いえ、決してそんな。手前は ベ、別に」

大殿さまにいいようにあしらわれてへどもどするばかり。

隅に置けぬと言われた丑蔵の盃に、折からの風にひらり
と舞い落ちた桜の花びら一枚・・・
どうやら丑蔵にも春が訪れたのかもしれません。

      ・・・・・・・惚れ薬(八十二)


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最終更新日  2011年01月16日 09時20分13秒
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