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おせんの江戸日誌

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2011年01月16日
XML
カテゴリ:惚れ薬
丑蔵がいとまごいをしている
ところへ折よく現れたのが、
桑田屋喜兵衛。

「遅れまして、まことに
 申し訳もございません」
「おぅ、やっと来たか」

待ちかねていたらしい大殿さま、
これへと喜兵衛を手招きします。

小腰をかがめて大殿さまの前
に進みでた喜兵衛は

「手前どもの店で作らせた
 ものでございます」

下男達に持たせてきた四つの
風呂敷包みを差し出しました。


 
歌川広重 桜につなぎ猿*****************************

小梅村に住む棟玄坂吉之助の為に浅草茶屋町にしもた屋を
借り受けて板前らを住まわせ、弁当を作って届けさせてい
た喜兵衛でしたが、当の吉之助が実家に帰るとそれも無用
の事となりました。

しもた屋を漢字で書けば仕舞屋になりますが、元々は商売
をしていたけれど今は商いをやめてしまっている、仕舞う
てしまった商家のこと。
商いをやめた店主はそのしもた屋で隠居生活を送ったりも
するのですが、なぜかこの家は貸し出しをしていたのです。
引き払うつもりで、そのしもた屋を訪れた喜兵衛でしたが
家の前の人の流れを眺めるうちに考えが変わります。

『ここは米屋だったらしいが、それではもったいない。
 浅草寺参詣の行き帰りの人たちは生米よりもすぐに
 食べられるものを喜ぶに違いない・・・」

しもた屋の持ち主と交渉した喜兵衛はその家を買い取って、
板前はそのまま、下働きの者を二名増やして次男坊を店主
に据え、料理屋くわたを開店させました。

参詣客相手の料理屋なので、吉之助に作っていた料理より
も安価なものになりますが板前の腕が良い上に気の効いた
品を出しますからこれが大当たり。
そのうちにその評判が武家や富商にまで伝わることになり、
そのような人たちの頼みがあれば貸し切りにして、高級な
料理を振る舞うまでになっているのです。

そのくわたの板前がここぞとばかりに存分に腕をふるった
料理の数々が、樋津家の大殿さま始め一行の者たちの目と
舌を大いに喜ばせたのは当然のことと言えるでしょう。

桜.jpg


      ・・・・・・・惚れ薬(八十三)


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最終更新日  2011年01月17日 06時31分01秒
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Re:料理屋(01/16)   愚すん さん
もうすぐお昼です。料理屋「くわた」の弁当を食べてみたいなあ~。まあ、今日は、お餅も残ってるし、雑煮でも作りましょうかね。
(2011年01月17日 11時11分29秒)

Re:料理屋(01/16)   *tokko* さん
仕舞うてしまった商家のこと・・・・だったんですね~。
「しもた屋」が私が思っていたものより小奇麗なものに
思えてきました(^^)

あーーちゃんとした日本料理もたまには食べてみたいっ。 (2011年01月18日 17時03分56秒)

もしかしたら   千鳥道行 さん
「モウ一息」なのでしょうか。
なんとなく大団円に各人がぼちぼち集まり始めたような気がします。
ところで、お熊、亀吉、伝蔵ら、長屋の面々は元気なんでしょうか。
もう一回ぐらい、おせんさんと一緒に出てきて欲しいところです。 (2011年01月20日 00時16分02秒)

愚すんさんへ   鯉口のおせん さん
焼いたのに、煮たの、餅はおいしいですよね。
アタシ、大好きなんですよ。
すき焼きの残り汁に入れるのも良いですねえ・・・
餅も残りわずかとなって、この頃寂しいおせんです。
.....
(2011年01月23日 07時17分51秒)

*tokko*さんへ   鯉口のおせん さん
>「しもた屋」が私が思っていたものより小奇麗なものに
>思えてきました(^^)

 その意味するものが変化してしまった言葉の数々・・・
 2、30年ほど前に『しもた屋』差別発言事件という
 のがありまして、語の由来そのものを知らぬところから
 起こったのか?その事件。
 それとも、その語自体が変質してしまっていたのか?
 おせんにとっても興味深いことではありました。

>あーーちゃんとした日本料理もたまには食べてみたいっ。
 同感!
 自分以外の人が作ってくれる料理。。。。。
 あ~~~懐石料理ずいぶん食べてません。
-----
(2011年01月23日 07時30分45秒)

千鳥道行さんへ   鯉口のおせん さん
モウ一息までこぎつけてはいるんですが、なかなか・・・。。。
鬼女に祟られてるんじゃないかと思えるくらい、終われません。
グルグル『大団円』の周りを回っているアタシです。
.....
(2011年01月23日 07時35分06秒)

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