ゲーム雑記

2005/09/08(木)23:15

アーケード「ドルアーガの塔」・前編

ゲーム★伝説(11)

「私の中で伝説となったゲーム」を紹介する「ゲーム★伝説」。 久々の第4弾は「ドルアーガの塔」! [メーカー]ナムコ [機種]アーケード [発表時期]1984年7月 分からないことだらけ  「ドルアーガの塔」は、主人公の騎士「ギル」を操作して、愛する人「カイ」を助け出すため、塔の最上、60階を目指すゲームである。  しかし、カイを助けるためには、あらかじめ取っておいた3つのロッドを、60階の決められた場所に掲げなければならない。いや、その前に59階で悪魔ドルアーガを倒さなければならない。ドルアーガを倒すには、装備を完璧に整えた上で、しかも正しい手順を踏まなければならない。装備を整えるには各階で宝箱を出現させ、取らないといけない。宝箱を出現させるには、各階ごとに決められている条件をクリアしなければならない・・・・・・・などなどなど、このゲーム、完璧にクリアするには、それだけでちょっとした本ができるくらいの知識を身につけていないと、絶対に無理なのである。  だが、ゲーム機についているインストカード(いわゆる説明書)には、簡単な操作方法と「カギを拾って扉に入れば次の階に行ける」ということしか書かれていない。最上階が60階であることすら、分からないのである。  そう、これらクリアに必要な知識は、プレイヤーが「自ら謎解きをして得ていかなければならない」のである。例えば、宝箱の出現方法一つとっても、最初の方の階では「画面上に見えてる敵を倒せばOK」など比較的簡単なのだが、階が進むに連れ、「ある敵を順番に倒さなければならない」「画面上の特定のポイントを決められた順番で通過しなければならない」「レバーを上に2回、下に5回倒す」など、プレイ中のありとあらゆる全ての事に対して考えを張り巡らさなければならず、試行錯誤を繰り返しながら、一つ一つ特定させていかなければならない。  それは、気の遠くなるような、長い長い道のりであった・・・。 「マニア」への挑戦状  そんな、ユーザーを完全に突き放した形になった「ドルアーガの塔」。もちろん、一般のゲームファンには全くと言っていいほど受け入れられなかった。と言うより「ついていけなかった」のである。  それとは逆に、喜んで飛びついたのが「ゲームマニア」たち。彼らは、「磨かれたゲームセンス」と「ゲームに懸ける情熱」、そして何よりも「頼れる仲間との協力」で、「最初にクリアするのはオレたち」をスローガンに、我先にとものすごい勢いで攻略していったのである。  そんな中、ついにエンディングに辿り着いたグループが現れた。彼らが、クリアするまでに要したプレイ数は、およそ2000プレイとのこと。「ドルアーガの塔」は、ゲーセンに置かれたアーケードゲーム。ということは、もちろん1プレイごとに料金がかかるワケだが、1プレイを100円とすると、彼らが費やしたプレイ料金は、なんと20万円。正に「情熱の成せる業」である。  「ドルアーガの塔」は、ただ何も教えない意地悪なだけのゲームではなく、やり込めばやり込むほどその魅力がどんどん発揮されるという「やり込みに耐え得るしっかりした作り」になっており、マニアたちもそれに応えるかのようにプレイし、「ドルアーガの塔」にますます魅了されていった。このように、当時のアーケードゲーム、特にナムコの作品には、メーカーとユーザーとの間にある種の「信頼関係」が成り立っていたため、メーカーからの「挑戦状」ともとれる厳しい内容のゲームでも、受け入れられる素地はあったのである。 ゲーム★伝説・「ドルアーガの塔」、続きは明日の後編へ・・・。

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