天才陶工 仁阿弥道八 サントリー美術館 東日本大震災3年354日
サントリー美術館の「天才陶工 仁阿弥道八」展にぎりぎり間に合った。 すばらしかった。仁阿弥の鋭い観察力と卓越した技量の「写し」の技もすごいけど、そこにひねりを入れてるのがおもしろい。樂道入の黒樂四方茶碗 銘 山里 VS 仁阿弥の冨岳文黒茶碗 釉薬をかけずに残した「黄ハゲ」までノンコウをうまく写してる。野々村仁清の金筋隠印茶碗 VS 仁阿弥の色絵筋文入子茶碗 仁阿弥のほうがよりモダンで素敵かも。仁清を真似てか黒釉を置いて隠し印にしてある。朝鮮時代(17C)の青磁象嵌霊芝宝珠文碗 VS 仁阿弥の青磁象嵌菊花文水菱指 黒い象嵌文様の赤土の代わりに染付けの青を使ってる。朝鮮時代(17C)の御本立鶴文水指 VS 仁阿弥の御本立鶴文茶碗 立鶴文様をアレンジ 青磁象嵌雲鶴文鼎形香炉 古代青銅器の形に高麗の象嵌青磁の組み合わせ色絵碗 17世紀オランダのデルフト陶器アルバレロを模したそう絵高麗、斗々屋、蕎麦茶碗、三島となんでもござれ。両足院の色絵花卉図手焙は、仁阿弥道八作、谷文晁一門画。夏の撫子は谷文晁、秋の桔梗は文晁の弟、冬の藪柑子は息子、春の梅は弟子の画だそう。仁阿弥の煎茶道具もかわいいのがいろいろ。三代高橋道八の焼締急須は形がユニークだけど品がある。仁阿弥の鉢 懐石の華大きな作品になって、見応えがある。色絵桜楓文鉢には薯蕷饅頭が合うかなあ、銹絵雪竹文手鉢には織部饅頭かなあ、色絵紫陽花文手鉢には葛まんじゅうかな。お菓子が入った様子まで目に浮かぶ。仁阿弥の鉢は芸術品でもあるやろうけど、実際に使ってみたくなる。祥瑞写盃、三島写盃、七種盃、こんなので日本酒飲みたい。彫塑的作品 置物・手焙・炉蓋階段を降りるとかわいい置物が迎えてくれる。色絵兎置物 白ウサギやからリエーブルやなくてラパンちゃん。色絵寿星立像 ありがたいお姿黒楽銀彩猫手焙 黒猫かわいい色絵竹隠和尚坐像 則堂通銓のリアルなお顔 色絵宇須女置物 底に足とお尻を隠してる手まである色絵猿置物 毛並みまで見事、これも底に足とお尻お庭焼きの指導者として褐釉人面貼付文徳利(讃窯)は、ドイツ・フレッヒェンの塩釉髭徳利を模してるそうやけど、あんまり似てない。新しい時代へ仁阿弥の銹釉籠形手鉢と息子の三代高橋道八の銹釉籠形手鉢 。息子もすごい。仁阿弥は1842年59歳で息子に窯を譲り、伏見桃山に隠居、桃山窯を創始し、1855年に亡くなる。今は八代の次女直子さんが、九代として活躍してる。黒釉飛七宝茶碗、黒釉松葉之図水指などまるで漆器のよう。さすが、仁阿弥の子孫さん。おもしろかった! 1日1回のクリックで、募金ができます♪