|
テーマ:サッカーあれこれ(19851)
カテゴリ:イラン代表
先日U-23代表にも選ばれたベフシャド・ヤヴァルザデがピールズィとの2年契約にサインした。エステグラルユースの出身であるヤヴァルザデは今季降格したシャヒド・ガンディにレンタルされていたのだが、エステグラルへは戻らずライバルであるピルーズィに新天地を求めた。エステグラルにはストライカーとしても有能で、フィジカルも強い、左利きのウインガーであるバヘディが居る事も影響したのだろう。マハダヴィキア2世がカゼミアンならバヘディ2世はヤヴァルザデといえるほどプレーのスタイル、特長が酷似しているのだ。ただ、ピルーズィにもご存知マダンチやペジマン・ノウリといった左利きの選手が多いため、アリ・ハーンが如何にこの才気を起用するのか楽しみなところ。また噂では代表GKのミルザプール、さらにはタレブルーの獲得に動いているという噂もあり、ここ最近栄光から遠のいているピルーズィは名門復権に躍起になっているようだ。また中盤のリーダーであったカヴィアンプールをトルコに放出した事も無関係ではないだろう。さらに永遠のライバルであるエステグラルは、ジャッバリ、エナヤティのアブ・モスレムホットラインを引き抜き名門復権に成功、今季も最高のパフォーマンスを見せたゾブ・アハンのラジャブザデーを獲得しているだけにアリ・パルヴィンの鼻息も荒くなることは必至だ。 来季の予想フォーメーションは --------Madanchi----Kazemian ---Yavarzadeh-----------Seyedabbasi --------P.Nouri------Mamani --Saha--Bagheri---Ansarian--Sheys -------------F.Karimi 今季好調だった2トップを維持すれば正確なクロスを持つヤヴァルザデは左サイドに、場合によってはマダンチと入れ替わるオプションもある。190を越える肉体で躍動するプレースタイルと得点力はストライカーとしても魅力だ。さらにアリ・アリザデーやU-23でも活躍するエフサン・ホルサンディといった若い人材も豊富だ。また中盤のリーダーには元代表のサイード・アバシが務めるべきだ。ただ、アンサリアンが移籍を示唆しており、さらなる戦力の加入の噂もある。右サイドのシェイス・レザイーなど多くのタレントを抱えるチームをバゲリがしっかりとまとめ上げれば名門再建は不可能では無いだろう。そしてヤヴァルザデのこの決断はフル代表への近道となるはずだ。個人的にも彼とマジャール・ザレ、シェイス・レザイー、ジャラル・ホセイニにはチーム・メッリの未来を担う人材として大きな期待を抱いている。 ただ間近に迫ったW杯においてのショジャイー、テイモリアンの活躍がまず先だ。共に素晴らしい活躍を見せているが、ドイツで出番を得ることができるだろうか。テイモリアンはスタメンに近い位置を確保しているが、ショジャイーの出番は確実ではないだろう。それでもここ数年の彼の成長ぶりは目を見張るものがある。 もともと気性が荒く、審判に食ってかかってはイエローや3試合の出場停止を受けるなどは日常茶飯事であった。またプレーの面でもエゴイスティックなドリブルに終始し、周りを生かすタイプでは無かった。そんな彼にお灸を据えたのがDr.Zこと名将ゾルファガナサブであった。 当時サイパの監督であった彼はイスラム大会においてイランB代表の監督を任されると、自らのチームからショジャイーを選出。この時ジャッバリやテイモリアンも彼によって見出されている。だが所属チームと同じように個人プレーに走るショジャイーをゾルファガナサブはベンチに下げ、二度と起用することはなかった。これに危機感を抱いたショジャイーはサイパにおいても周りを生かすプレーを覚え、パッサーとしての才能を開花させていく。そして今季はイエローカードの収集癖こそ治らなかったものの、チームの躍進に大きく貢献し、シモンエス率いるU-23、フル代表、そしてドイツ行きと素晴らしいステップを踏んだのである。もしジャッバリやバヘディが怪我をしなければ彼のドイツ行きは無かっただろう。クロアチア戦、後半85分に登場したショジャイーは終了間際の疑惑のPKの際にも抗議する味方を制し、試合終了時にはまっさきに主審と握手を交わした。そしてボスニア戦においては、わがままなドリブラーから変貌し、周りを生かす有能なパッサーとして君臨した。どちらもつい2、3年前には考えられない成長振りであった。 彼と同じようにエゴイスティックなドリブラーであったキャリミは、1年間の出場停止と4年間のUAE生活という才能を浪費する期間を味わったが、若くして己の過ちを正したショジャイーの未来はさらに明るいに違いない。昨日22歳を迎えたイランの23番に要注目だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.06.11 01:32:27
コメント(0) | コメントを書く
[イラン代表] カテゴリの最新記事
|
|