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テーマ:サッカーあれこれ(19851)
カテゴリ:イラン代表
いよいよ全てが決まる決戦の時です。引き分けでも可能性は残りますが、今夜ポルトガルに勝利しなければイランにとってのドイツ大会は苦い記憶として人々の心に残る事でしょう。
思えば20年ぶりのW杯であったフランス大会では、ユーゴスラヴィアに互角以上の戦いをし、アメリカを破るなど予選突破はならならいまでも国民に勇気を与えてくれました。そして多くのタレントが欧州に新天地を求めるなどイラン人選手が評価を得た大会でもありました。 そしてドイツ大会、より多くの海外組を抱え日韓大会のリベンジとして位置づけられた今回はグループリーグ突破という目標を持って臨みました。そして日韓での失敗から人気が低迷する国内リーグを盛り上げ、UAEなどに流出するタレントを食い止めるという目的もその裏にはあるのです。ここでフランス大会以下の結果しか残せなければ、イランが再び世界から評価を得ることは難しくなるでしょう。 その運命の一戦、未だダエイがスタメンで出るかどうかは直前まで誰にも分からない。有力視されているラインナップはこちら。 --------------Mirzapour Kaabi----Yahya-------Rzaei-----Nosrati --------Teymourian---Nekounam -----Kia-------Karimi-------Madanchi --------------Hashemian ただダエイが未だに出るという情報や、ザンディが間に合うという情報などが錯綜している。もはやブランコには何も言う気が起きないのが本音だが、あえてひとつ進言するとすれば怪我人をピッチに出すなという事だ。これが親善試合レベルなら分かるが、W杯というハイレベルな舞台において怪我をひきずった選手が活躍できるほど甘くない。 そしてもう一つ、この試合勝利を挙げることができなければすぐにブランコは辞任すべきだ。たとえ敗北を喫しアンゴラ戦の意味が薄れたとしても、W杯という貴重な舞台でイランの未来を支える選手にチャンスを与える事は、彼らにとって貴重な経験となるからだ。そしてこの腰抜けのクロアチア人が、最後にそのチャンスを若手に与えるかすら怪しい。思えばもっと早く彼は辞任させるべきだったのだろう。2004年、自国で開催された西アジア選手権を制した頃までは私も彼のチーム作りに疑問を抱くことは無かった。ネコーナムの横にはカヴィアンプールがいて、イランらしいリズムを刻んでいたからである。その後彼がアジア杯直前に怪我をすると、チームは安定感を失い、ブランコの采配にも疑問符がつく事が増えた気がする。そこに老朽化する英雄と、左サイドの守備、守りを軽視するワンボランチなどの問題が拍車をかけチームはおかしな方向へと進みだす。そしてブランコとマスコミの関係、ブランコと国民の関係もぎくしゃくした部分が見え隠れするようになる。W杯を迎えるにあたってテイモリアンという才能がチームのバランスを保ちかけたが、指揮官は大会を前にして契約延長を拒絶する発言をするなど、もはや彼の心がここには無い状況に陥ってしまった事がすべてに悪影響を及ぼしているのは確かだ。私の目には彼がイランサッカーから離れることが寂しいという感情があるようには見えないし、その采配にも愛と情熱を感じない。ただ、この男が卑怯なのは、それでも監督の座に居座り、不可解な采配をふるい続けることだ。私のように10年来イランサッカーを負い続け、そこに喜びを感じている人間にとっては耐え難い状況である。確かにイランの監督に対する重圧が凄い事は承知している。マスコミの対応に追われ、さまざまな質問に何時間も費やす苦痛は言葉の通じない国ではなおさらだ。かつて彼の師ブラゼビッチも同じ問題を抱え、辟易していたと語っている。しかしだ、自らが逃げ出さずに采配をふるう以上、勇気ある決断と公平な判断をしてもらいたい。彼の采配には大胆さもなければ、驚きも喜びも含まれていない。せめて最後くらい勇気のある戦いを見せてほしい。 大胆に考えれば現在の海外組は全て外してもいいくらいだ。ただマハダヴィキアの右足だけは万全の状態でなくてもチャンスを生む力がある。それ以外のザンディ、キャリミを無理にスタメンに押し込む必要はない。それは敗北宣言のようなもので、予選3試合しか戦えないから怪我がちな主力を無理して出すようなものだ。グループリーグを突破するつもりがあれば、彼らを休ませ調子のいい若手でポルトガルに挑んでもいいだろう。もし彼がそのようにして負けても私は決して批判をしないだろう。これができないブランコの脳裏には、試合後にメディアや国民が「どうして主力を出さないんだ」と糾弾される自らの姿が浮かび、恐れおののいているのだろう。もしそう言われれば胸を張って「怪我人よりも、全力でプレーできる若手で挑んだんだ」と言い放てばいいじゃないか。それが信念の通った勇気ある采配であれば誰も文句は言わないはずだ。 日韓大会敗退の瞬間、クロアチアを3位に導いたブラゼビッチにはイラン代表をW杯に導くという強い情熱が感じられず落胆した事が脳裏をよぎる。忘れたい記憶だ。今大会も既にグループリーグ敗退が決定した国もでている。それでも彼らの中には国民に喜びと勇気を与える戦いを見せてくれたチームがある。チーム・メッリは国民に未だ落胆しか与えていない。選手の勇気あるプレー、監督の勇気ある采配が見られれば結果は二の次になるという事だ。私がイランサッカーの虜になったのもジョホールバルでの勇気ある死闘を目の当たりにしたからだ。 ブランコよ、結果は問わない、最後にひとかけらでもいいから勇気ある采配を見せてくれ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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