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テーマ:サッカーあれこれ(19780)
カテゴリ:イラン代表
来月19日に川崎フロンターレとACLを戦うセパハン・イスファーンが国内リーグで3連勝を飾った。初戦ぺガフ・ジラン戦を新加入のホジャト・ザドマフムードのクレイジーなスーパーボレーで勝利し、2戦目は昨年のナイジェリア人得点王オレルムを擁するアブ・モスレムをキャプテン、ナヴィドキアのFKを含む2得点で勝利。さらに先ほどペイカンを2-0と下し見事な3連勝を飾ったのである。そしてその勝利の立役者は意外な人物だ。
マハムード・キャリミである。ベテランの29歳で身長は168センチと小柄ながらスピードを生かした裏への飛び出しで、実にここ3試合で初戦、2戦目の追加点、そして本日の2得点と4ゴールを挙げているのである。昨年はモハンマド・レザとセェイエド・サレヒの影に隠れ先発は4試合、交代出場が12試合でわずか3ゴール。ACLに至っては出場機会すら得ていない。まさに晴天の霹靂と言える活躍で一気に攻撃の主役に躍り出た。もともとわずかながらイラン代表にも召集経験のある選手ではあるが、この思わぬ活躍は名将ボナチッチにとっても嬉しい誤算だろう。(なおボナチッチは昨シーズンの最優秀監督の座をダエイに譲ったが次点に選出)この好調をACLでも維持すれば川崎にとって、ここまで無得点のモハンマド・レザ以上に怖い存在になりそうだ。 ここで、この移籍シーズンの間のセパハンの移籍状況と今季のフォーメーションをまとめてみよう。前回のまとめはこちら。 まず放出したのが、昨年のセパハンの攻撃の全てが彼を経由したと言ってもいいほどの活躍を見せた魔術師ことモハンマド・ヌーリ。昨年のナヴィドキア不在のセパハンのACLでの躍進、カップ戦制覇の原動力となった選手をチームはあっさりとサバ・バッテリーへと譲り渡したのである。その背景には勿論キャプテン・ナヴィドキアの復調があげられる。 さらには背番号10番のハミド・シャッフィーをエステグラルへ。 そして監督を批判しチームを離れたアルメニア人GKのペトロシャンも放出。 一方、加入したのがエステグラルからイラン代表のボランチであるホセイン・カゼミ。ただ初戦こそフル出場を果たしたが2戦目は60分からの交代出場と、まだチームに溶け込んでいるとは言い難い。そして前述のザドマフムードをエステグラル・アフヴァズから。そのフィジカルの強さで攻撃に厚みを加える。そしてメス・ケルマンからは大型でガレノイに代表召集もされたGKのアバス・モハマディを獲得。昨年はペトロシャンの代わりに若手のサヴァリがゴールマウスを守ったが、早速モハマディは開幕から安定感あるプレーで堅守に貢献している。 そして今季のフォーメーションは -----------------Mohammadi ---Bayat----Benghal---Aghily---Akbari(Azzizadeh) -------------Abolhail---Kazemi(Bahadorani) ---Navidkia(C)---------------Hajsafi(Lovinian) ------M.Reza(Zadmahmohd)----Karimi ただ以前にも述べたとおりボナチッチは戦況、相手により3バック、4バック、3トップを巧みに使い分ける。なお、守備を固める際はアクバリに代わりアジザデを投入するパターンが多い。 その場合、スイーパーのアギリ(188cm)とストッパーのベンガル(188cm)、アジザデ(190cm)の3バックは難攻不落の壁となる事は前回の特集でも述べたとおり。 この後9日のラフ・アハン戦を戦ってACLに挑むセパハンだが、川崎Fもガンバ大阪に大勝するなど調子がいいだけに、純粋に勝負としても面白そうだ。セパハンの堅守にはジュニーニョのスピードや中村の鋭いスルーパスが有効だろう。しかしアギリは大柄ながらイランでは強烈なスライディングを兼備する屈指のスイーパーであることも忘れてはならない。チョン・テセの当たりの強さも見事だがベンガルやアジザデにまともにフィジカルでぶつかるのは分が悪いのは明らかだ。そして攻撃面に関してはマハムード・キャリミの好調を除いてはパワーダウンしているのは否めない。特にここまで昨年の2枚看板のモハンマド・レザの調子があがっておらず、セェイエド・サレヒに至っては出場機会すら得ていない。また彼らを正確なスルーパスで操るナヴィドキアが、どれだけそのキャプテンシーでヌーリの穴を埋める事ができるかも重要な鍵となる。 だが昨年のセパハンはホームで12勝2分1敗(25得点8失点)と無類の強さを誇っており優勝したサイパをも大きく上回っている。それでも、これが国外のクラブとやる時はまた別の話であるとも言える。なぜなら私も磐田がアザディスタジアムでエステグラル・テヘランを圧倒的アウェーの環境で破って優勝したACLの試合を見ているからだ。何が起こるか分からないが、是非ともイラン、日本の好調な2チームによる名勝負を見たいものだ。 *追記情報。 ボナチッチは若い選手を積極的に起用しているが、昨年から台頭してきている2人の若手も紹介しておこう。まず22歳のホセイン・パピは右サイドの攻撃的な位置でプレーする若手で昨年のACLでは貴重なゴールを記録している。3トップの時は右サイドに入る。そして今季左ウイングでプレーするエフサン・ハジサフィはヴァヒド・アムライーと同じ若干17歳。共にセパハンの若い両翼としてチームに躍進を支えている。 さらに追記情報。セパハンはACL前の最後の国内リーグ戦となるラフ・アハン戦を2-2で引き分けた。前半2点を先取したものの追いつかれ連勝もストップ。ただ、またしてもセパハンの2得点を挙げたのがマハムード・キャリミであった。なお、こちらが前節のゴール動画 目に付くのが司令塔のナヴィドキアが得意のスルーパス、プレースキックで攻撃を牽引し、キャリミの一点目もほぼ彼の得点と言っていい。2点目は右ウイングのバヤットからのスルーパスをキャリミが競り負けずにドリブルで持ち込み冷静にGKとDFを交わして決めている。これでキャリミは開幕4試合で6ゴールと絶好調で、勿論国内リーグのトップスコアラーとなっている。 なお、第4節は川崎フロンターレにスタッフも視察したようで、キャリミには十分警戒してくることになりそうだ。 第5節が先ほど行われセパハンはファジル・セパシ・シーラズに2-0で勝利。これで国内戦を4勝1敗と好調をキープ。全勝のピルーズィの試合が残っているが、暫定で国内リーグのトップに立った。得点者はボランチのアボルハニ、そしてメイサム?・アミリ。アミリについては新顔で情報が無い。また得点動画など入り次第更新予定。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.12 03:09:05
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