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テーマ:サービス業の舞台裏!(119)
カテゴリ:ホテル日誌・事件簿
うちのホテルは、従業員が個性的ならお客様のキャラクターも強い。
今回も面白い?お客様が連泊されました。 ダンディ・・・って言うんですかね、ああいう方を。 50歳前と思われる男性。明らかに一般ビジネスマンとは違う。日に焼けたお顔に口ひげ。サングラスと仕立ての良さそうなスーツをお洒落に着こなす、いわゆる、いわゆるタイプです。 このお客様(以下M様)は鍵の受け渡し時に必ず一言仰いますが、それがギャグなのか何なのかイマイチ分からない。 例えば 『僕がこのホテルに泊まるのは奇跡だよ』 『ははは・・・・・ ?』 どうも “いつもはもっとハイクラスなホテルに泊まっているんだぞ” と仰りたいらしい。 支配人とMeiには良い返事が見付らず、顔を見合わせて苦笑。一体どこのエグゼクティブ様かと、速攻二人して会社名検索しましたから(爆)。 領収書のお会社名が彼の勤め先とは限らないけれど、ヒットしたのはIT関連のベンチャー企業。(※社長名≠M様)社員数と年商なら、うちの会社と変りませんでした;P。 ずっとダブルのお部屋をお一人様ご利用。時々女性を泊めるけど、そんな時は事前に連絡があり又きちんとダブル料金をお支払い。 セコくも意地悪でも無い。決して嫌なお客様では無かったから、支配人とMeiの間では 『彼の世界の中で、Mさんは凄く偉い人なんだね♪』 と言う事で落ち着きました。 ある日、M様からズボンプレッサーについてお問い合わせ。 うちはシングルが狭くズボンプレッサーを全室に常設できない為、フロント貸し出しとしています。 その旨ご案内すると、 『あ、そうなの』 抑揚無く仰って、お部屋へお持ちに。 ご使用後は廊下に出してさえ頂ければこちらで回収するともお伝えしたのですが、M様はお出掛けの際にフロントまで返却下さった。 『あ、わざわざすみませ~~ん!!』 『いや大丈夫♪ それにしてもこんな素晴らしいズボンプレッサー、久々に使ったよ!』 ニッコリしつつ、又 ? 何処のビジネスホテルにもある、安くも高くも無いズボンプレッサーです。支配人を振り返って首を傾げると 『イ・ヤ・ミでしょ(笑)(笑)』 と笑われた。 なるほど~、一々カチンと来るわ。(←遅い) それを18時出勤して来た夜勤チーフのKさんに、そのままお話し。 『Mさんて、何て答えて良いか分らない事ばっかり仰るんだよね~』 すると接客業のベテランであるKさんはニヤリと笑って 『そういう時はMeiさん “はいっ! 私どもはズボンプレッサーに特に力を入れておりますから”(真顔) くらい返せ無くちゃダメよ~♪』 Mei爆笑。 呼吸困難になるほど笑ってしまいました(笑)(笑)。 もちろんこんな台詞、接客業マニュアル的には絶対勧められない。間合い、イントネーション、表情。コメディアンや役者さんの様に上手く言わないと、卑屈どころか、喧嘩売ってる様に聞こえてしまう。 でもKさんがこう答えていたら、きっとMさんは喜ばれたに違いないのです。 いつも一言多いと評判のKさんではありますが、彼女の臨機応変さと言うか、頭の回転の速さに感心させられます。 いつか私も、こんなやり取りが自然に出来るアテンダントになりたい;P。 Mei お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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