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　永世名人の資格を持つ著者が、将棋を通じて得られた勝負の心構えについて語った書。

　史上最年少の２１才で名人になるなど、常にトップ棋士として活躍している著者ですが、勝負の厳しさ、奥深さについての考えを披瀝してくれます。特に、不調時の心理やスランプを脱出する姿勢といったことは、他の職業にも通じるものだと思います。

　著者は、子供の頃から将棋に熱中した生活を送っていますが、将棋に集中できた要因として「好きという思いを持続できた」ことを挙げています。そして、一万時間という具体的な数値を示しています。一日に約三時間集中して取り組めば、一年で一千時間、十年で一万時間となります。「才能」の前に「努力」が重要であることを、端的に示しているのではないでしょうか。

　「集中力」、「思考力」、「記憶力」、「気力」といった事柄について深く考えさせられます。

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「集中力」　（角川ｏｎｅテーマ21）
　著者　谷川浩司
　定価　本体５７１円＋税
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