2021/11/01(月)05:06
17:煙管(きせる)
【粗筋】
若旦那の立派な煙管が欲しくてたまらぬ芸妓が、とうとうどんなことでも言うことを聞くから、その煙管をくれと言い出した。
「本当に何でも言うことを聞くんだな」
「まさか命をよこせなんていうんじゃないでしょうね」
「お前の命と煙管を取り替えたところで仕方がない。もっと簡単な頼みだ」
ということで、煙管をもらった芸妓、うれしそうにいじっているが、
「ところで、若旦那の望みは」
「その煙管返して」
【成立】
上方では「煙管返して」。安永2(1773)年『仕方噺口拍子』の「無心」は、10両の無心に対し、金を出すが、こちらも頼みがあると言い、10両の無心はなかったことにしてくれというもの。