2024/07/23(火)05:01
落語「た」の94:狸娘(たぬきむすめ)
【粗筋】
男2人で芝居に行くと、そこで娘と女中に声を掛けられ、浅草花屋敷の常磐屋という料亭で御馳走になる。女中が、
「先に帰るが、今夜両国亀沢町にある自分の実家にお嬢さんをお泊めするので、ぜひ来てくれ」
と言う。据膳食わぬは何とやら、二人は喜んで、約束の印に懐中時計を渡すが、店の勘定をといわれて懐をさぐると、紙入れがなくなっている。数日後、女が警察に捕まったが、狸穴(まみあな)に住む狸娘のおきんという評判の悪だった。
「ああ、道理で尻尾を出した」
【成立】
明治期に三遊亭円左(1)が演じているが、自作だったのだろうか。前半は「なめる」と同じなので、その転用かも知れない。意外性も面白味もないので、当然現在演じ手はない。
これだけは本物の狸が登場しないが、五十音順なので悪しからず。
【蘊蓄】
狸穴は東京都港区、ロシア大使館のある所……って、今もあるのかな。わしのいる茨城県つくばみらい市にもある。つくばみらいは行ってみたい茨城の町でつくば市、水戸市に続く第3位になっていた。観光としては何もない町で、知らない人が名前だけで選んだんだろうなってすぐ分かった。