2024/08/13(火)05:36
落語「た」の112-4:垂乳根の続き:「鶴女(つるじょ)」
【粗筋】
いけぞんざいな八五郎のところに、言葉の丁寧な鶴女が嫁に来た。どうも長屋住まいらしくないというので、八五郎が言葉を教えるが、廓言葉になったり、やくざ言葉になったりでうまくいかない。ある日、家主のところで夫婦喧嘩が始まり、長屋の者が止めに入るが誰もとめることが出来ない。鶴女が止めに入り、
「御内儀には白髪秋風にたなびかせ給う御身にて、嫉妬に狂乱し給うは、自ら省みて恥ずかしゅう思し召されずや。早々にお静まりあってしかるべく存じたてまつる」
と言うと、婆さん煙に巻かれたようにおさまってしまう。家主が感謝して、
「お鶴さん、ありがとうよ。でも、どうしてばあさんピタリとおさまったんじゃろう」
「そりゃァ、鶴の一声じゃもの」
【成立】
「たらちね」の後日談として創作されたもの。