2024/09/01(日)05:58
落語「た」の129:反物五反の裂れ(たんもんごたんのきれ)
【粗筋】
無筆のくせに読めるふりをしている男が、芝居の看板を見ているところへ、もう一人無筆の者が来て読んでくれとせがむ。「ちょっと遅かった、今読んだばかりだ」とか、「親父の遺言で同じ物は二度読まない」と誤魔化すうちに、通り掛かりの人が「今度の狂言は『山門五三の桐』だね」と言っているのを耳にして、
「今度の狂言は『反物五反の裂れ』だ」
「そんな芝居があるのかい」
「呉服屋の騒動だろう」
【成立】
上方にも東京にもあったが、現在は演り手がない。「山門五三桐」という題もあり、この方がネタばれはないが、落語の題は楽屋で記録するための符牒だから、分かりやすいように記録する。
【蘊蓄】
『山門五三桐』は「絶景かな」でお馴染みの石川五右衛門の芝居。