2024/11/04(月)05:35
落語「つ」の19:付け文(つけぶみ)
【粗筋】
男が集まると雨も降っていないのに、いつもの品定め。あの娘が可愛い、あの娘が優しい、あの娘が色っぽい……と並ぶ中で、
「煙草屋の娘のお光っちゃんに止めをさすぜ。何しろ付け文を渡そうとすると、取るでもなし、取らないでもなし、もじもじそわそれ、うつむいて真っ赤になって、その風情がたまらねえや。ああいうのを見たら、誰でも惚れちまうぜ」
という男がいる。これを聞いてたのがこの店の女中で、ちょうど米屋の小僧が来て応対すると、小僧の出した勘定書きを取るでもなし、取らないでもなし、もじもじそわそれ、うつむいている。小僧が、
「別に今日すぐ払ってくれってことではないで」
【成立】
店に金がなくて支払い出来ないのが恥ずかしくて下を向いていたんだね……って言った人を私は二人も知ってます。