落語「け」の22:結婚ノススメ(けっこんのすすめ)
【粗筋】 離婚して父と息子で暮らしているが、まだ小さい息子から、再婚しないのかと聞かれる。お前が大きくなるまでは再婚しないと言うと、「子供に重荷を背負わすな」 と言う。「母ちゃんとよりを戻すのは無理や。こないだ電話したら、母ちゃん、絶対にあらへん言うてた」 息子はこれを近所の小母さんに話していた。お見合いの世話が好きな人で、若い看護師と日曜に会いに行くと言う。びっくりした父親だが、息子に背中を押されて出掛ける。息子が色々気を遣うのだが、父親は緊張していて話も出来ない。そのうちに仲人役の小母さんに,「二人きりにしておきましょう」 と連れ出される。息子は心配していたが、無事二人が結婚することになった。 3人での生活が始まり、おやつの用意が出来たと新しい母親が呼ぶのに、息子は部屋から出て来ない。何だか元気が無くなったようだと言われて、父親が見に行くと、音楽を聴きながら寝込んでいる。自分でお見合いを勧めながら、再婚されるとお父さんを取られたようで寂しいのだと夫婦で話をしていると、起きた息子からも、「弟か妹が欲しい」 と言われる。「お前も寂しいから、弟か妹が欲しいのやな」「そやない、弟か妹がいれば、気兼ねなく家を出て行けるんや」【成立】 桂文枝(6)の創作落語、第48作目。タイトルをカタカナで書いたのは、「学問ノススメ」のパロディだろうが、中身は関係ないようだ。