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○競馬人として自分が尊敬し且つ崇めている方の中のお二人がいたからこそ完成した貴重な資料です!!
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この貴重な本の中から”序”と”発刊のことば”を尊敬と敬意を込め転載させていただきます
アラブレース廃止を決めたえらい方々にぜひ呼んで欲しい文章です!!

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序)「日本のアラブ系統のために」
 このたび田辺君の「アラブ牝馬系統大鑑』が完成して、我が社から出版することとなった。
これは昨年のサラブレッドの『日本種牡馬』に続いて、アラブの分野においても、貴重な根本資料を斯界に提供できると言う競馬専門出版社として喜び以外に、二十年近い長い間、ともに机を並べて仕事をしてきた一先輩として、私は個人として田辺君のために祝福にたえないものがあります。
これは田辺君としても、その若き日の競馬への全情熱を、注ぎ込んだライフワークであります。このアラブ系統表が「地方競馬競週」(月刊)に載り始めたのが40年の三月からで、今年42年の五月号で完結したのでありますが、田辺君が、本格的にアラブ系統の研究に着手しだしたのが、28年からだと言うのですから、その間十三年もの地味な忍耐強い努力の結晶であります。
”サラブレッドの牝系の系統図は一応すでに出来ている。資料も揃っている。これからも手を掛ける人も少なくない。だがアラブは日本だけのもので資料は貧弱だ。まだ本格的な系統ちょうさができていない。今やっておかねば基礎資料も次第に散逸して将来わからなくなる。誰かがやらねばならない仕事だ。”と何かの機会に社内で私が話したのが、田辺君が競馬の世界に入って四、五年目、すでにわが社の地方競馬の責任を持つようになってからだったと記憶しています。
 だが、わが社の日比の仕事は、当日新聞に、週刊、日刊、雑誌と一日も休めない。その中心にあってまともに休日も取れない激務の中で、この資料も乏しい、忍耐と根気の入る仕事を、週一回の宿直日をこの研究にあてて、コツコツと十余年も続け、いまこれかくも見事に完成したことに対し、わたしとしては、よくやった、よくやってくれたと、感嘆と感謝に
胸いっぱいなのであります。
 わが国のアラブ系馬は、確かに最初は軍の要請によって始められたものでありますが、郡鯛がなくなった戦後の新しい日本の競馬で、かくも力強く発展した理由は、その耐久性、管理の容易さと頑健さ、価格の手頃さ、誰にでも手軽に入手して楽しめるのわが国の経済民度にあった国民的馬種であり、それが今日の競馬黄金時代の三角形の広い底辺を培う基盤となったからでしょう。
 どこの馬産のある競馬国でも、最高級のサラブレッドだけで競馬をしているところはありません。英国の障害用のハンター、アメリカ、ソ連、イタリー、フランス。豪州のトロッターと又米国のクオーターホース等等、みなその国の在来種が改良されて、国民的広い基盤を形成しているのを見逃せません。
 日本のアラブ系も、何千年来日本列島にいた在来種をもとに、明治以来百年の近代競馬の劇しいレースを通じての選択淘汰と、外来種による改良によって独自に発達し、なかば固定した東洋的な競走馬として、世界に誇れるものです。この意味でわが国に競馬の続く限り、やはり日本のアラブ系は 永遠の命を持つものと信じるのであります。
 いま田辺君の十余年の苦心の結果、この大鑑によって、わが国の全てのアラブ系馬が、その母馬から索引すれば、たちどころにその系統を遡って知ることが出来ることは、わが国の競馬人にとって、なくてはならない貴重で便利な根本資料として、斯界に提供できることを欣快と感ずる次第であります。

   昭和四十二年六月         白井新平







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最終更新日  2009年10月02日 16時49分57秒
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