京町家の玩具たちと寒天の会
先日は物好きな友人達と京都ディープツアー「三条会商店街の巻」を敢行。四条大宮に集合し、「とり伊」の絶品親子丼で腹ごしらえをし、三条会商店街の一角にある「京町家 ひより」へ向かう。「ひより」は江戸期に建てられた呉服屋さんだった町屋で、毎月、母屋で茶菓子の会を開いたり、各種催事に貸し出したりして、公開されています。近頃、京町屋を店舗やゲストハウスに改装する動きがよく見られますね。しかしそれは単に建物をインテリアとして味わうだけで、本来の使われ方とはかけ離れた場合が多いです。ひどい場合には座敷にテーブル席を作り、床の間を見下ろす。床の間や違い棚、庭の造作などは畳に座った視線から眺めるように設計されているので、これでは台無しです。ひよりを主催するSさんは日常的な生活を含め、京町屋での生活文化そのものを人々に伝えたいという想いで、彼女の実家をこうして公開されているのです。今年初めにSさんと知り合い、春のイベントに初めて訪れた時は、台所に今も残るおくどさん(かまど)でご飯を炊き、鰹節を削っておにぎりを作るという企画でした。パチパチはじける槇の熱気やお釜からの蒸気が、通り庭にある高い吹き抜けの天井に上っていくのを、幼かった頃の記憶とともに懐かしく味わいました。昨日は涼しさを味わおうという「葉月の会」。骨董玩具のコレクションと、ところてんを味わう企画でした。わざわざところてんを突く「テン突き器」まで用意し、各自が突き出したところてんに蜜、もしくは中華の具材を乗せてドレッシングで味わうひと時。一緒に行った友人達からは、一本お銚子などがあれば最高!という声も出ましたが、先月の日本酒の会で調子に載って飲み過ぎ、えらい目に合った私は、よく冷えたお茶で十分。まだ調子の戻らない腹を労わりました。今回のあっさり企画はほっとします。座敷には裏の蔵から出てきたという大正、昭和の沢山の玩具類がぎっしり展示されています。市松人形やカルタ、メンコ、古色蒼然としたブリキの玩具、着せ替え人形、独楽類,,,。ひよりの所蔵するこれらの玩具類にはとても珍しいものが多く、知り合いの古物商さん達は垂涎の的のようです。今回の展示は近くに店を持つレトロ雑貨のいっぽう堂さんがテーマごとにディスプレイされたのでとても見やすかったです。あれこれと話の尽きない一同は、座を変えて展示を担当したいっぽう堂さんのお店に。こちらは昭和、平成のレトログッズが満載なので、一緒に行った友人達のツボにはまり、興奮状態。ウルトラマン、サザエさん人形、ナショナル乾電池、グリコのおまけ、エスエス製薬のピョンちゃん、などなど。しかし狭いお店に長時間たむろするわけにもいかず、子供の頃の思い出にも見切りをつけて解散。オヤジ達は近くの銭湯「トロン温泉稲荷」へ。ここはトロン鉱石を通したミネラル湯が特色で、ローマ帝国の貴族たちに愛されたという効用の高いお湯だそうです。ここは番台のあるロビーにバーカウンターが作られてあり、ゆっくり歓談できます。私らはおかみさんから由来などを聞きながら、ビールを飲もうとしたら、ダメダメと諭され、湯上りにはこれを飲まないとだめよと水を出していただきました。トロン鉱石を通した地下水で、ほどよく冷えていて。すっきりと味わいました。そして、まだ夕方ではありますが、昼飲みOKの「あみたつ」へ。魚屋なので各地の新鮮な魚介類がいっぱい。まずは友人のK君がデザインした電動ドライバーの受賞に乾杯。Gマーク、ドイツのIF賞、アメリカのIDEAブロンズ賞に加えてヘンリーフォード博物館にパーマネント・コレクションされるんだそうです。現役でこんなに頑張ってるというのは、ととても喜ばしい限りです。湯上りの後のビールと海の幸、そして馬鹿話に大笑いし、その勢いで祇園のBarひなだんごに繰り出して、ああ、また飲みすぎた。