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ロシア大使館に行ってきました。
8月にロシアへ行く予定なので、ヴィザを申請しに行ったのです。 ロシアというのは、やはり、近くて遠い国で、 観光でも、商用でも、入国滞在するには、必ずヴィザを取らなくてはいけないのです。 しかも、その前に、滞在予定のホテルなり、家庭なりから、”招待ヴィザ”というものを送ってもらい、この人間を受け入れる予定がある、ということを証明してもらわなくてはなりません。 旅行代理店に頼めば、手続き代行費用がかかり、また、発行してほしい日までの時間により、かかる費用も変わり、翌日ほしい場合など、3万円もかかるという、ご丁寧ぶりです。 とにかく、 招待状と、写真つきヴィザ申請用紙、パスポートをそろえて、 暑い中、大使館入りです。 広くはないヴィザを申請する部屋は、かなりの人で混み合っていました。 実は5月にも計画があり、ヴィザをとるまでしたのですが、行けなくなり無駄にした経験ありで、もう、様子はわかっていたものの、その時の閑散ぶりとは打って変わっての大盛況です。 すごいなあ、さすがにシーズンだ・・ とにかく、番号札を取って、腹を据えて待つことにしました。 何十人と待つ人の相手をするのは、たった二人のロシア人です。 しかも、そのうち一人は、手数料を受け取ったりの会計係りで、 残る男性が、書類を受け取り、チェックして、いつまでにほしいかなど聞きとり、説明をし、指示をする、を、たった一人でやっています。 こりゃあ、時間がかかりそうだ。 そのうちに、一人の若者が手続きのカウンターの前を、うろうろうろうろうろうろ、右往左往するのに目が行きました。 どうにも気がかりな様子で、奥をのぞきこんでいます。 ロシア人大使館員から、 ”待っていてください。 呼びますから。” といわれては、しばらくいすのほうに来るのですが、また、カウンターに寄って行くのです。 最初のうちは、急いでいるから、どうしてもそばに行ってしまうのかと思っていましたが、ちょっとしつこいな・・・と思い始めたとき、彼は突然私のほうに向かってきて、 ”僕、パスポート、なくされちゃったんです!” と、話しかけてきました。 えっ!パスポートを? それは、おおごとだ!大変! そう、私の一番の心配は、ここ、ロシア大使館に、ヴィザ発行の時までパスポートを預けておかなくてはいけない、ということでした。 たったの二人で、しかも、全て手作業で行っている彼らを見て、不安を禁じえなかったのです。 大丈夫、大国の大使館だ。信頼しなくては。 そう、自分に言い聞かせていたその不安が、今まさに目の前で現実になるとは! また、カウンターに寄っていく彼に、大使館員は言います。 "大丈夫ですから。” "本当に、大丈夫なんですか? 僕はあさって、出発なんですよ。” と、訴える彼。 ”一昨日ですよ! お・と・と・い、あ・な・た・に、ここで渡したんです。!” ”わたしでしたか? 隣の2番の窓口では?” おっ、責任転嫁か? ”確かに3番窓口のあなたでした!” 泣きそうになって私に救いを求める目を向ける青年。 話を聞いていた、壮年の男性が加わりました。 ”一昨日申請で、今日ピックアップなら、1万円も払ったんでしょう。 何が何でも、探し出してもらわなくちゃ。” 見ると、いかにもロシア人の顔立ちをした男性です。 顔立ちは精悍で、ボクサーのユーリ何とかに似ています。 体つきもがっちりして、私の中のシャープなロシア人のまさにイメージ。 でも、話す言葉はごくナチュラルな日本語。 ロシア人と日本人の両方の血を感じます。 彼はきっと、1/8ロシア人。 祖国を訪ねるのにヴィザの必要な、日本国籍の。 祖国ロシアの大使館の不手際がさぞ、歯がゆいに違いない。 さぞ、つらかろう。 そして、パスポートをなくされた彼も、さぞ、つらかろう。 見ている私にはどちらにも共感を覚え、3人の会話が始まりました。 さらに一時間も待ったでしょうか。 青年が、 ”1時に有楽町に行かなくてはいけない” と、言い出しました。 ”それなら、あと30分のうちには出なくては。” "もう一度プッシュしたほうがいいよ。” ”下手にでないで、毅然と抗議しなくては” などと、言ううちに、突然事務所のドアが開き、 ”ありました!” と、別の大使館員がパスポートを手に出てきました。 思わず、拍手をする1/8ロシア人と私。 案の定、大して詫びるでもなく、青年の手を無理やりとって、固く握手などして、勝手に一件落着にしています。 まあ、とにかくよかった。 青年は胸なでおろして言いました。 先週、留学先のイギリスから帰ったばかりで、あさってから、ロシア、ウクライナ、チェコ、ポーランド、ドイツを回ってくると。 ロシアには3回目であること。 すると、1/8ロシア人が言いました。 ”僕はロシアは2度目です。” え? 祖国に、たったの2度目?そんなものなの? 思わず。 ”ロシアの方ですよね?” ”いいえ!日本人ですよ!” 何を言うんだと言う顔の彼。 ”えっ!1/8は、ロシア人でしょう?” ”いいや、両親とも、栃木出身ですよ。” そんな馬鹿な。 ”絶対、どこかで入ってますよ。 だって、ロシア人ぽいもの。 よく言われるでしょう?” ”初めて言われましたよ。そんなこと。” 半ば、とうか、ほとんど呆れ顔の彼。 今日、思ったこと。 道聞かれ顔、人生は楽しいが、見る目はまるでなし! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 29, 2005 11:36:03 PM
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