道聞かれ顔

衝撃合宿は、形だけのものではありませんでした。

やっとのことでりんどう湖から宿に戻った私たち、
ぴろし先生はきっぱり、言いました。
”食事の前と後で、まず、勉強会するから。
　荷物置いて、企画書もって集合。”

ひえーっ！
まだ、温泉ゆるしてもらえないのっ？

汗臭いまま、食事前の勉強会に突入。
ますます、りんどう湖の意味がわからない。

白熱した勉強会のおかげで、食事の放送も聞き逃し、
広い宴会場みたいなところに行ったら、すでにほかのお客さんたちの宴はたけなわ。
みな、さっぱりお風呂上りの顔、浴衣に着替え、
東京から着たままの姿、中には明日、仕事に行く人もいるわれわれの容貌は、明らかに異彩を放っていました。

でも、それだけなら、まだよかった。
少しばかりの違和感なら。

私たちが食べ始めるより先に、アナウンスが流れ、
人たちが浴衣で、舞台になってる前のほうの裏口に集合し始め、
ものすごい音量で、カラオケが始まったのでした。

桜吹雪の舞台を背に。

聞いたこともない曲目を。

時には踊りまで交えながら。

私たちは、あるものはそれを見据え、
あるものはそれを背にして、
黙ったまま、箸を動かすしかありませんでした。
だって、あまりの音量に、話しても聞こえなかったもの。

何を食べているのか、もう、カニの味さえわからなかった。

さすがのぴろしでさえ、
”これはすごいな・・・”
と、ちょっぴり弱音を吐いたことを、私は聞き漏らさなかったけど。


食後、さすがにやっと、ぴろしから入浴タイムの許可が出て、
ようやくようやく、温泉にたどり着きました。

お風呂では、はだかんぼでいたら、はだかんぼの小さい女の子に話しかけられました。
”どこかなあ。
　一緒に行く？”
って。

衝撃合宿の夜はながい！
まだまだ、つづくっ！