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台湾役者日記

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2001年10月01日
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※ 以前、メールで知人に配信した「通信」をここに再録します。日付は、メール配信当時の
「タイトルにある日付」としました。が、この日の分はすでに1本別のがあるので、1日ずらしました。

はやしだ台湾通信        2001年9月30日(日)23時
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★ ラジオCMに出演!(その5) これじゃ「大原社主」だッ!(前編)
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最初のセリフはなんとか無事に乗り切りました。収録したセリフの断片は、あとでいちばんいいところだけを「切り貼り」するということなんで、必ずしも「通し」で完璧にしゃべらなくてもかまいらしいのです。

このスタジオの名前は「鉅家數位製作有限公司」になっていますが、「數位(シューウェイ)」というのは「デジタル」という意味なのです。すなわち、ここではデジタル録音でセリフを収録します。総経理は、「あとで自由に加工して使えるから、気楽にやってくださいね!」と、ニコニコしながら言ってくれました。

そのわりには注文が多い!

そして、いよいよ次のセリフ。これが途方もなく難物でした。

林桑 :【肯定讃嘆状】ン~[ンは口偏に恩] 清淡爽口、取材新鮮、還融合中華料理精髄、(台語發音)難怪大家ロン[ロンは手偏に龍] 愛吃!
林さん:【賛嘆の念をこめて】ん~、あっさり味でさわやかな後口、食材も新鮮だし、その上に中華料理の精髄をうまく使ってるね。(台湾語で)なるほどみんなが食べに来るわけだ!

意外に思われるかもしれませんが、台湾語で「難怪大家ロン愛吃!(ナングヮイ・タゲロンアイチャ)」という部分は、難なく言えました。(「難怪(ナングヮイ)」は実は中国語。)それは、会社の同僚の会話やTV番組、TVのCMの中で、「タゲロン(みんな)」も「チャ(食べる)」もよく出てくるため、すっかり耳慣れていたからなのです。

また、台湾語の発音の要素(音素)が、日本人にとってそれほど複雑ではない、ということも、簡単にしゃべれた理由の一つです。

***

台湾語というのは、もともとは、大陸福建省の一地方の言語です。台湾語のことを説明するのは、実はとても大変な仕事です。詳しいことはべつの機会に書きたいと思います。

この言語を「台湾語」と書きあらわすことが、すでに、ある一つの政治的立場を選んでいるということになりかねないのですが、ここでは、そこまで厳密に考えて書いていません。台湾の人たちの大部分が「台湾語」という名前でこの言語を呼んでいるのにならって、この通信でも、とりあえず、これを「台湾語」と表記することにします。

***

問題は、中国語です。セリフの前半部分が、なかなかうまくいきませんでした。

「清淡爽口、取材新鮮、還融合中華料理精髄」。

このうち、「爽」「融」「髄」の発音が分かりません。

「ちょっと練習しないと、これ、言えませんね~」
「いいですよ。ではわたしについて来てくださいね。はい! チンダンシュヮンコウ・ツーツァイシンシェン……」
「いや、だからこれ、ひとつづつやっていかないと……」

中国語には単母音が6つ、複合母音が13、子音は21もあります。さらに、音節の一つ一つに「声調」というのがあって、これは「四声」とも言いますが、同じ発音でも、「上がりっぱなし」「上がる」「下がりっぱなし」「下がる」の4種類にまた分かれるのです。

声調は、お手本になる人の発音を聞いていれば、なんとか真似することができますが、いちばん難しいのは子音です。子音には「有声音」と「無声音」というのがあって、同じように聞こえる子音でも、息の使い方に違いがあるのです。日本語を母語とするわたしにとっては、その違いがどうしても聞き分けられません。聞き分けられないものを発音し分けることはできないのです。

カタカナでは書き分けができませんが(その書き分けのできない中国語を無理にカタカナで表記している当通信の中国語は、まあ「なんちゃって中国語」というようなもんなわけですが……)、「取材(ツーツァイ)」の「取(ツー)」は有声音・第3声(下がりっぱなし)で、無声音の「挙(ツー)」とは区別しなければなりません。これが、わたしにはまったく聞き分けができないのです。で、わざわざはっきりと、「取(ツー)」はこう、「挙(ツー)」はこう、と教えてもらっても、それでも、しゃべり分けることが難しいのです。

さらに、先生が外国人に中国語を教える専門家でもない場合、「有声音」とか「無声音」とかの専門用語も知りませんから、どうしても、「取はツー! ね。……いや、そうじゃなくて、こう! ツー!」とか言うだけで、こっちはどこが間違っているのか、いつまでも分からないことになるのです。

知っているつもりだった「取」の発音からして、台湾人の耳にははっきり間違って聞こえている。それを自分は気がつかない……。なんとも憂鬱な気分になります。

だって日本人の発音でいいと言ったじゃないか! と反論したいところなのですが、そこはそれ、あくまで「イメージとしての日本人」ですから、少なくともCMの内容は正確に伝わるようにしないといけません。

***

そのかわり、台湾人は、日本語の清音と濁音の聞き分け・使い分けが苦手です。「大丈夫」が「ライジョーブ」になったりします。この件はまたべつの通信で・・・。

***






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Last updated  2004年03月13日 20時05分26秒


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