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カテゴリ:本や新聞拾い読み
お客様からフロッピーをいただき、組版を行い印刷の本に仕上げていく。 内容は、 「河口橋」 白杖と共に という田中五郎さんの句集である。 地元石狩のYさんのご縁でお仕事をさせていただいた。 風強し 揺れるリフトや 峰遠し 湯たんぽや 薄き湯気たち 顔洗う さらさらと ささら電車や目覚めかな など北海道を題材にした句が素晴らしい。(ささら電車とは、札幌市内を走る路面電車で、車両前方部分につけられたロールたわしがクルクルと回転しながら除雪していく札幌でしか見られない除雪車) 本の後半では、自叙伝が20ページ近く綴られており、鉱山で苦労して働いた様子から現在まで人となりの素晴らしいが直に伝わってくる。巻頭に戻ると本人の写真が移っている。レイチャールズよりハンサムに移っている老人が作者であるが、 ・満88歳で自費出版 ・17年前に緑内障で全盲となる ・今から5年前にパソコン習得 この本は、習得した技術でキーボードから入力された価値ある一冊である。 もちろん、変換間違いは多少ともあるが、年令と障害のつらさから想像してここまで到達する本人の努力は並大抵ではなかったかと思う。 素晴らしい本の出版のお手伝いができて、本当によかったと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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