私がアメリカに行っている間、国中で大ニュースになっていたのがテリー・シャイボさんの尊厳死をめぐっての夫と両親の争いだった。(今日の朝日新聞のニュースは
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テリーさんの夫は彼女が植物人間になったあと、離婚もしていないのに他の女の人と2人の子供をもうけ、テリーさんの世話はほとんどしていなかったという。一方、テリーさんの両親は16年間ずっと彼女の世話をし続けてきた。それなのに、夫が「テリーはこんな風に人工的に生かされるのを望まなかった」と言ってテリーの栄養と水分の補給をするチューブを抜かせた。3月18日にチューブが抜かれてしまい、あとは彼女が飢え死するのを待つだけとなってしまった。18日以降、両親はこの判決を変えるために、大統領やフロリダの州知事に働きかけたりと、ありとあらゆる方法を使ったがどの法廷でも拒否された。そうしているうちに昨日の夜、テリーさんがついに亡くなってしまった。夫はテリーさんが亡くなる瞬間に両親を病室に入れることをも拒否した。両親の無念さが感じられる。
この一件を通してアメリカでは、生きているうちにしっかりと自分の意志(延命処置についてなど)を書きとめ、また自分の意志を反映してくれる人をはっきりと指名しておくことが大切と言われている。こういうことは話し合いにくいので今まで先延ばしにしてきたが、この事件を機会にちゃんとしなければと思った。彼女の死を無駄にしないように…