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アビオルグ (くそっ……!!! しっかりしがみついてはがれやしねええ!!)
      (このまま崖下に衝突したら、図体のでかいこいつはともかく、俺は無事じゃすまねえぞ!!)
      (!!!)
      (あれは…………!!)
小鉄 「………………!!!!」
アビオルグ 「猫……!!!」
小鉄 「ア、アビオルグー!!! 横だニャ!!! 横にブレスを吐くニャ!!!」
アビオルグ 「!! ガアアア!!!!」
 >ゴウッッッ!!!!!
 >チュッドォォォォォォォォォォン!!!!!
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!
剛種タイクンザムザ 「…………揺れ…………!? まさか…………」
 >ド ド ド ド ド ド ド ド ド
アビオルグ 「……!! そうか! この崖には地下道が広がってる! そしてそこには……」
 >ドッシャアアアアアアアアア!!!!!
剛種タイクンザムザ 「キャアアアアアア!!!!!!!」
アビオルグ 「水が溜まってるってわけだ!!!」
      (吹き出した水がデカブツを直撃して、吹き飛ばした!!)
      (俺の拘束も緩んだ!!!)

アビオルグ 「もう一度喰らえェェ!! ゼロ距離ブレス!!!!」
剛種タイクンザムザ 「水……! 水ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」
アビオルグ 「!!!!(ゾクッ)」
      (な……何だ、この悪寒……!!!)
剛種タイクンザムザ(怒り) 「水ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! あたしの!! あたしのエステがああああ!!!」
              「エステがはがれるうううううううう!!!!!!!!!」
 >バリバリバリバリバリバリバリ
アビオルグ 「……雷!!!!!!」
      (しまった!!! 水は雷を通………………)
 >ババババババババババババババババ
アビオルグ 「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
 >ズゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!
 >ズゥゥゥ……ン…………
アビオルグ 「ガ………………ウ……………………」
剛種タイクンザムザ(怒り) 「ハァ……!!! ハァ…………!!!!」
              「見たわね!! ハニィ!!! 私の素顔をオオオ!!!!!!」
              「見たわねええええええええ!!!!!!」

アビオルグ 「グ…………」
      (しまった……感電して体が動かねえ……ッ……)
剛種タイクンザムザ(怒り) 「残念だけど…………私の素顔を見られたからには……」
              「ハニィだろうと生かしておくわけにはいかないのよ…………!!!」
              「私の…………麗しきエステが剥がれたこの顔を…………」
              「あなたにだけは……!! 見られたく…………!!」
小鉄 「アビオルグー!!!!!」
 >ゴロゴロゴロゴロ
 >ドガッ!!!
小鉄 「痛ダァァ!!! 木に頭をぶつけたニャ!!!」
   「な……何だニャ!!! 水でタイクンザムザの泥と岩が流れ落ちてるニャ!!!!」
剛種タイクンザムザ(怒り) 「猫……お前も私の素顔を…………」
小鉄 「す…………す………………」
   「すげぇブサイクなヤドカリだニャアアアアア!!!!!!!」

剛種タイクンザムザ(怒り) (ピキッ…………)
小鉄 「でかいのに相まって記録的ブスさなタイクンザムザだニャ!!!」
   「び……びっくらこいたニャ……!!!」
剛種タイクンザムザ(怒り) 「ブス………………?」
              「わ……私を…………私をブサイク…………?」
              「私…………私、私、私が………………」
小鉄 「な……何だニャ…………何か様子がおかしいニャ…………」
アビオルグ 「逃げろアホ猫ォォォォ!!!!」
小鉄 「ア、アホとは何だニャァァ!!!!」
   「それが! お前を助けに来た英猫への言葉かニャ!!!!」
 >ゴソゴソ
小鉄 「こてっちゃん特製! 超・毒キノコ爆弾でも喰らえニャアアアア!!!!」
 >ヒュンッ!!!
 >パァァァァァァァァァッン!!!!
 >パラパラパラパラパラ………………
剛種タイクンザムザ(怒り) 「こっ…………この臭いは………………!!!!!」
              「い………………いやあああああ!!!!!」
              「肺が焼けるぅぅぅぅ!!!! ああああああ!!!!」
              「エステが!!! エステが溶けるうううう!!!!!」
              「ああああああああ!!!!」

 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 >ズズズズズズズズ………………
 >ズ………………ズズズズ…………
 >ズ……ッ…………
小鉄 「そっ、想像を絶するほど効いたニャ…………!!!!!」
アビオルグ (ググ………………)
      「チィィ…………猫に助けられるとは………………」
小鉄 「あのデカいタイクンザムザは潜って逃げたかニャ…………」
   「でもまたいつ戻ってくるとも限らんニャ……」
   「アビオルグー!!! はやいとこここを離れるニャ!!!!」
アビオルグ 「…………チッ…………」


―名前がない島、アビオルグの妹の墓周辺、昼―

アビオルグ 「ゼェ……ゼェ……」
小鉄 「大丈夫かニャ……?」
アビオルグ 「てめぇなんぞに……猫なんぞに心配されるいわれはねぇ……」
小鉄 「オトモ軽視の発言は許さんニャ。と……ちょっと待つニャ」
 >ヒュッ
 >パァンッ
アビオルグ 「どこでそのキノコ爆弾の材料を見つけた……?」
      「てめぇがさっきからバラ撒いてるそれだ……ゼェ……」
小鉄 「お前息が上がってるニャ。トレーニングが足りないんじゃないかニャ?」
   「教えてやるニャ。これはどこにでも生えてる毒テングダケに、この秘伝の粘菌を混ぜて作るんだニャ」
アビオルグ 「粘菌……?」
小鉄 「これはオイラの爺ちゃんが見つけてきた特別な菌だニャ」
アビオルグ 「人間が使う瓶みてぇなのに、緑色の菌……か?」
小鉄 「空気に触れてると熱が出てきて、仕舞いには爆発する危険な菌だニャ」

アビオルグ 「それと毒テングダケを混ぜると、タイクンザムザの嫌がる毒を発生させるわけか……」
小鉄 「猫の知恵を舐めるんじゃないニャ。これぞ現代の科学だニャ!!」
アビオルグ 「ゼェ……元気な奴だ……昨日死にかけてたとは思えん……」
小鉄 「お前オイラにお礼の一つもないのかニャ」
アビオルグ 「猫ごときに下げる頭はねェ」
小鉄 「フンッ! 可愛くない奴だニャ」
アビオルグ (猫の異様な元気さが気になるな……)
      (こいつ、何かクスリを飲んでるな……?)
      (いいクスリじゃねェ。臭いから、おそらく、紅テングダケの粉末に雷光ゼリーを混ぜたものだ)
      (あれは気分がハイになって、一時的に血の巡りを良くするが、副作用がある)
      (知っててやってるのか……?)

小鉄 「何だニャ? 人の顔をじーっと見て、キショいニャ」
アビオルグ 「てめぇ……猫」
小鉄 「小鉄だニャ」
アビオルグ 「小鉄。聞け。てめぇはあのラージャンの弟子の小坊主を助けたいか?」
小鉄 「何を言うニャ。あったりまえだニャ!!」
   「あいつはオイラの家族だニャ! ラージャンはどーでもいいけど迅雷は大事な弟だニャ!」
   「弟を助けない兄がどこにいるニャ!! 猫だろうと虫だろうと関係ねぇニャ!!」
アビオルグ 「へェ……面白いことを言う」
      「教えてやろう。猫の里ではどう伝えてたのかは知らんが、てめぇが飲んだクスリの調合は劇薬だ」
      「死ぬぞ」
小鉄 「…………」
   「オイラが寝てるわけにはいかねぇニャ……」
   「迅雷が大変な目に遭ってるっていうのに、オイラだけがグースカ寝てたら、絶対後で悔いが残るニャ」
   「そんなのは嫌だニャ……オイラは、そんなのは嫌だニャ!」

アビオルグ 「だからと言って命を縮めることはねェ。弟だとか何だか言ってるが、どうせ元は他人だろ」
      「何でそこまで命を賭ける? 馬鹿なのかてめぇは」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「あれはジンオウガだろう。知ってるぞ……別大陸のモンスターだ」
小鉄 「! お前、迅雷の仲間のことを知ってるのかニャ!!」
アビオルグ 「雷を使う古龍に近いモンスターはそうそういねぇからな……」
小鉄 「お、教えてくれニャ! 迅雷はどうしてああなっちまったニャ!!」
アビオルグ 「あァ?」
小鉄 「お前、何か変な奴だけど悪い奴じゃない気がするニャ」
   「それに、オイラ達には分からないことも知ってる感じがするニャ!」
   「何でもいいニャ! 迅雷を見て感じたことを教えて欲しいニャ!!」
アビオルグ 「……呆れたぜ。何も知らねぇのにかばってたとはな」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「懐が広いのか、はたまたただの馬鹿か。馬鹿なんだろうな……」
小鉄 「迅雷は……」
アビオルグ 「てめぇが胸に下げてるお守りは誰からもらった?」

小鉄 「お守り? これかニャ?」
   「これは……迅雷の親父さんから……」
アビオルグ 「それを猫ごときが持ってるところを見ると、そいつは死んだのか?」
小鉄 「……オイラの目の前で死んだニャ……」
アビオルグ 「…………」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「お守りとは何なのか、それ自体分かっていないところが多いが……」
      「不思議な力を持つことは確かだ」
      「そしてお守りは、古龍が造ったとも言われている」
小鉄 「古龍が……?」
アビオルグ 「それ故に、お守りは古龍の力を持つことが多々ある。てめぇのそれと同じようにな」
小鉄 「ま、待つニャ! 迅雷はどこにもお守りなんて持ってないニャ」
   「少なくともオイラは見たことがないニャ」
アビオルグ 「知るか。俺の目には、奴の心臓のあたりからお守りに近い古龍の力が発せられているのが映った」

アビオルグ 「大方、小さい頃にお守りでも飲み込んで、古龍の力を取り込んだんだと考えられるな」
小鉄 「そんな……じゃあ、そのお守りを取り除けば、迅雷は元に戻るのかニャ?」
アビオルグ 「俺にそれを聞くな。ラージャンみてぇに、古龍に生まれつきただ単に近いだけなのかもしれねぇ」
      「憶測でものを言うのは好きじゃねぇ」
小鉄 「迅雷を……普通のモンスターにしてやりてぇニャ……!!」
アビオルグ 「…………」
小鉄 「オイラ達を……いや、迅雷を追って、沢山のモンスターが襲ってきてるニャ……!!」
   「あいつは、産まれた時から戦い続けてきたニャ!!」
   「普通の生活をさせてやりてぇニャ!!!」
アビオルグ 「無理だな」
小鉄 「なっ……」
アビオルグ 「俺が言う古龍の力を持つモンスターは、『迅雷』というジンオウガだけじゃねぇ」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「小鉄、てめぇもだ」
小鉄 「オイラも……?」
アビオルグ 「自分でもうっすら気づいてるはずだ」
      「普通の猫なら、てめぇみてぇな無鉄砲してたら軽く死んでる」

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最終更新日  2013.01.02 21:27:14
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