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カテゴリ:こどもらんど~私の出会ったこどもたち~
小学校の学校行事の中で 一番大きいイベントが卒業式です 音楽会よりも 運動会よりも そして入学式よりも… 初めての卒業式は 音楽専科としてでした 当時としては画期的な卒業式で 子供たちの呼びかけで式は進み 歌で場面をつないでいくという構成でした 「今」 「今 始まる 感激のとき」「感激のとき」「卒業」…… 結構覚えているものですね 練習のときは 結構余裕で シビアな感じで見ていました 卒業証書授与の時には エレクトーンで伴奏 1年生から6年生までの思い出の曲をメドレーでつないでいきます 練習は 主に呼びかけと 歌 子どもたちは自分たちが卒業していくということを匂わせないほど 楽しんで練習しています 伴奏をしながら「もっと大きな声で歌わんかい!」と 横目でにらむ毎日でした いよいよ明日本番という日 全職員あげての大掃除 各学年の掲示板は「卒業おめでとう」と飾られ 懐かしい先生方からの祝電が階段の踊場に張り出されます 空っぽになった6年生の教室に行って 一人 ほーっとしていました 「もう この子達に家庭科や音楽教えないんだあ 残したことなかったかしら・・・」 不思議に悲しいとか さみしいとかはこのときには感じませんでした それまで練習や休み時間に子供たちとかかわるたびに さみしい気持ち満載になっていたのに… 不思議でした いよいよ 卒業式当日 いつもとは違う雰囲気の中 いつもとは違う晴れ姿に身を包んだ子どもたちが登校してきます 緊張しながら卒業生の胸に花を付ける5年生 そして 静かに式は始まります 私はといえば 式の最中は伴奏をしながら はらはらどきどき・・・ でも そのうちに 「これが終わるとこの子たちいなくなっちゃうんだあ」 という気持ちがこみ上げてきます 最後に 校歌を全員合唱して 子どもたちは壇上から拍手の中降りていきます そのときに 今まで味わったことのない涙がとめどなくあふれてきました 私は結構泣き虫です 悔しいとき 悲しいとき さみしいとき 辛いとき 嬉しいとき 感動したとき…… それぞれの涙 どれも その涙の奥に自分の思いがあります でも・・・・・・・・・・・・・ 卒業式のときの涙は 自分の思いというよりも 子どもたちの成長に対する喜び もう教室では会えないんだというさみしさ とにかく純粋な思いだったんです 「こんなに純粋な涙を流すのは 初めてだ・・・」という驚きがありました ただ 単純にさみしかった そして 嬉しかった 出来ることなら 子どもたちと一緒に 中学校に行きたかった ずーっと一緒にいたかった… そんな思いで 私はいつまでも泣いていました あれから20年 担任したこともない学年の卒業式でも 私は毎年 泣いていました さみしくて 悲しくて でもたくさんの思い出をプレゼントしてくれた感謝でいっぱいになり 「先生 まだ泣いてるん?」と卒業生に笑われるほど 泣いていました 結構…というより いつまでたっても とっても頼りない先生でした でも だからこそ こどもたちは とてもしっかりしていったのだと思います 本当に楽しかった音楽・家庭科の先生は1年で幕を閉じました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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