女子が苦手だから、男子校に行きたい - ガラスのように繊細な男の子が増えている
以前から、男子は乱暴だから男子のいない女子校に行きたい、と言って私立の中高一貫校の女子校を受験する女の子はいたが、ここ2、3年は、女子は苦手だから、男子校に行きたいと私立の中高一貫校の男子校を受験する男の子が増えてきた。来年私立の中高一貫校を受験する6年生のU君もそんな一人だ。お父さんがどんなに、女の子がいる方が楽しいぞぉ~っと言っても男子校がいいと言い続け、彼の偏差値レベルだと行かせたい男子校がない、とお母さんは頭を抱えている。確かに、通える範囲の男子校は、高いか、低いかで、真ん中が殆どなく、選択肢が限られてしまう。Uが知っている私の生徒の2年生が通っている共学の中高一貫校を英語も小学校から授業であって、レベル別に分かれているし、楽しいって言ってるよ、と勧めてみたが、その子のような女の子ばかりとは限らないと完全に腰がひけてしまっている。第二次成長期を迎えた5,6年生の女子は、心と体の発達がめざましく、実にパワフルで、まだ幼いところが残っている男の子を年下の子のように扱う。対応も、実に手厳しい。気の弱い男子なら、怖いと逃げたくなるだろう。そう言えば男子校に通っている生徒は、とても平和そうにまったりと学校生活を楽しんでいるように見える。パワーが漲っている5,6年生の女の子に比べ5,6年生の男子は、とてもナイーブだ。ちょっとした女の子の言葉に、それが自分に発せられたものではなくても傷ついている。その証拠に、私の教室に長年通っている中学生以上の男子生徒には、必ず、苦手な女子生徒が存在している。具体的に何をされた、というわけではなく、皆口を揃えて、心の中で自分の事をバカにして笑っていると思うと言うのだ。御三家の一校に中学から通う高2のアイン君も同じ小学校に通っていた、お勉強のできない女子生徒が自分の事を勉強しかできない変な奴と自分を心の中で笑ってると言い、彼女がいるクラスへの振替は嫌だと言う。(彼女は、彼女でアイン君は、私のことをバカだとバカにしていると 言っているのだが…)そして、中2のDも、同じ中2の二人の女子生徒を、あの人は小学校の時からぼくの天敵で苦手だけど、もう一人は、ぼくを助けてくれる天使だと言う。そんなナイーブな男の子たちも中学2年生にもなると相変わらず朝起きたときについていた寝癖付の髪のまま教室に現れる生徒もいるが授業に遅刻してでも、シャワーを浴び、髪型を整え、ファッションを気にした洋服に着替えて教室に現れる生徒がだんだんと増えてくる。その微笑ましい努力に一歩づつ大人に近づいていると感じ、嬉しくなる。女子校に通っている生徒たちも、女子校の生徒という画一的な雰囲気を身につける。男子校がいいのか、共学がいいのか、という質問をよく受けるが、さまざまな環境の生徒がいて、磨かれ光る子もいれば、同じような環境の生徒の中で、光ことができる子がいるように、公立向きの子、私立向きの子男子校向き、女子校向きの子は確かにいると思う。しかし、たとえ数年後に、女の子が恐れる対象でなくなるとしても何事もスタートが肝心本人が楽しく、気分良く通えるかどうか、が一番大切なことではないかと思う。余談だが私の教室にも、イケメンの男子高校生がいる。通っているのも都立のトップ校。はにかんだ、爽やかな優しい笑顔が素敵と中高生の女子生徒たちは、彼の姿を見ると口を揃えて言う。同じ学校に通う上級生は、「学校でももてますけど、結構女の子泣かしてますよ。」彼は、年少さんから私の教室に通っているので、彼が、女の子を泣かしているというイメージは、とても想像できないのだが彼は彼なりに成長しているらしい…。