南風一の世界

　　　ミニボトル　　　　南風一


待っていたきみが赤い顔をして

うろたえたように

コーヒーか紅茶のミニボトルに手をかけている


「あら　自分で買ったの？」

俺が訊ねるより先に

「○○さんが買ってくれた」と返答した


さっき俺が席を外すときには

コーヒーも何も要らないと固辞したくせに

他の誰かがご馳走すると言えば

これだからな・・・


俺の心中を察したのか

きみはミニボトルをどう扱っていいのやら

困ったようなしぐさをしていた

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