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2008/10/04
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カテゴリ:判例、事件
当ブログでも注目していた事件の判決。

橋下府知事に名誉毀損で総額800万円の賠償を命じる判決が出たと。
ご存じのとおり、山口県光市の母子殺害事件で、被告人の弁護団の弁護方針について、橋下さんが「納得いかない方は弁護士会に懲戒請求をしてほしい」といった、その発言についてです。

正直なところ、ここまでの判決が出るとは思っていなかったのです。

過去の当ブログでも書いたように、この事件の弁護方針について、事件と無関係の人が懲戒請求するのはおかしいと書きました。(過去の記事。4回連載です)

私は幸い、懲戒請求されたことはありませんが、職務柄、懲戒請求の審理に立ち会ったことはあります。
懲戒請求すると、弁護士会のそこそこエライさんが、懲戒請求した側の人、された側の弁護士の意見をじかに聞く、聴聞手続があります。

そこに懲戒請求をした何千人の人たちが堂々と出て、「俺はあいつらの弁護のやり方は間違っていると思う」と主張すれば、結論は何か違ったかも知れません。
弁護士会も裁判所も、事態の重さを受け止めざるをえなかったかも知れない。

でも実際そこまでやった方は、聞く限りでは一人もいない。
結局、あの何千通の懲戒請求というのは「テレビ見てて何かハラ立ったから出してみた」という程度のものに過ぎなかったわけです。

一方、何千の懲戒請求を数人で受ける弁護士側としては、手続上、それに対する答弁書を出さないといけないので、その処理に忙殺される。
(ウチみたいな零細事務所では、短期間のうちに何千通の書類を提出しないといけないとなると、それだけで事務所がパンクします)

橋下さんも一応弁護士資格を持っている以上、こうなることは予想できたはずで、それなのにテレビを利用して、煽られやすい視聴者に懲戒請求をそそのかしたのは、まさに品がない行為であったと思っています。

…ただしかし、それでも橋下さんのこうした行為が、弁護団に対する名誉毀損になるかと言うと、私は疑問に思っているところもありました。

弁護団の人たちが、正しい弁護を行っていると自信があれば、堂々それを貫き通せばよい。それが、日本国憲法が弁護士に負わせた役割だからです。
憲法に沿った弁護活動をしている弁護士の「名誉」が、橋下さんの品のない発言によって「毀損」されるものでもなかろう、と思っていたのです。

判決を出した広島地裁は、そういった精神的な部分ではなくて、上記のように弁護団側に生じた煩雑な事務処理という「実害」を重視したのかも知れません。

何をもって名誉が毀損されたとするか、そしてその賠償額をどう算定するか、いずれの点においても興味深い判決なので、いずれ判決全文が入手できたら続報を書きたいと思います。
橋下さんは控訴すると言いましたが、私としてもぜひ最高裁の判決を聞きたいと思います。






Last updated  2008/10/04 10:15:43 AM

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