母の最期を覚えていません
母が胆管癌で亡くなった時母が最期を迎えたホスピスの部屋には母の兄と姉、義兄、義姉、そして私の夫が居てくれたように思うが実際のところあまり覚えていないのです生前母が最期の時は現世に引き留めたりせずに静かに見送って欲しいと皆に頼んでいたが義姉が手を握り大きな声で母の名前を呼んだ刹那 逝ってしまった私は部屋の隅っこで夫の手を握ったまま突っ立っていて「お母さん。騒がしくてごめんね」私と夫の2人だけで静かに母を見送ればよかった…などと思ったのは憶えているのですがそこからはもう怒涛のように目まぐるしく葬儀会社や菩提寺に連絡したり病室の荷物をまとめたりまとまった現金を用意したり喪主としての仕事がいっぱいいっぱいで細切れの記憶しかありません悲しむ時間なんて与えてもらえないのが喪主なのですよね後で知りましたが細々とした雑多な事は私に負担をかけぬようにと夫が全部引き受けてくれていたようで感謝しかありません私の母が亡くなった後に夫も父親を亡くして喪主を経験していますが淡々と役割をこなしていてやはり夫も涙は見せませんでした今日は母の命日です