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【問題】 訴状の必要的記載事項の趣旨を明らかにした上で,その不備を理由とする訴状の却下について,その裁判の形式と効果を踏まえて,説明せよ。 【答案】 1 訴状の必要的記載事項の趣旨 (1)訴状の必要的記載事項は、 1)当事者および法定代理人(133条1項1号) 2)請求の趣旨(同2号) 3)請求の原因(同3号) である。 (2) 1)の趣旨 当事者とは、判決の名宛人となるべき者をいう(形式的当事者概念)。 民事訴訟は、私人間の紛争を公権的に解決する手続である。そして、私人間の紛争は、当事者間の法律関係を争うものである。そこで、誰と誰との間の紛争であるかがはっきりしていることが必要である。 また、当事者は、管轄(4条)、除斥(23条1項)、忌避(24条)、回避(規則12条)、重複起訴の禁止(142条)、訴状の送達(138条1項)などの基準になる。したがって、訴え提起(133条1項)の段階で明確でなければならない。 ここで、当事者に訴訟能力がない場合は、法定代理人が当事者の身代わり的立場で訴訟を追行することになる。これは、当事者の保護と訴訟の便宜のためである。 よって、法定代理人がいる場合には、その記載が必要となる。 (3) 2)の趣旨 請求の趣旨とは、原告がいかなる判決の主文を求めるかの記載をいう。 たとえば、「被告は原告に金100万円及びこれに対する支払済までの年5分の利息を支払え。との判決を求める。」との記載をいう。 これは、民事訴訟が、実体法上私的自治の妥当する私人間の紛争であることから、訴訟上も自己の権利をいかなる範囲でどのように実現するかを原告の意思にゆだねる趣旨である。これによって、裁判所に審判対象を提示することとなり、また、裁判所は、原告の申立てた範囲をこえて判決できない(246条、不告不理の原則)。被告に対する関係でも、防御の範囲を明確にするという趣旨がある。 (4) 3)の趣旨 これは、請求の趣旨が訴訟物たる抽象的な権利義務ないし法律関係であることから、具体的な主張立証の対象となる法律原因や法律原因事実を示して、具体的な訴訟主題を明らかにする趣旨である。 2 その不備を理由とする訴状の却下 (1)裁判の形式 訴状審査をした裁判長の、命令による却下である(137条2項)。 (2)効果 訴えの提起(133条1項)が遡及的に無効となる。したがって、時効中断効(民法147条1号)は生じない。 判決とことなり、既判力は生じない。そもそも訴訟の成立すら存しないからである。 以上 (44行) 機種依存文字の関係で、投稿にしっぱいしたり、手なおしに手間がかかったり、というより、 めんどくさがっています(笑) 写真なんだか分かります? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年07月26日 20時07分52秒
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