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カテゴリ:テレビ、ドラマ等
◆制作
原作:中沢啓治 脚本:君塚良一 音楽:佐藤直紀 編成:立松嗣章 協力プロデューサー:高井一郎(フジテレビ) プロデューサー:増本淳(フジテレビ)・小椋久雄(共同テレビ) 演出:西浦正記(FCC)・村上正典(共同テレビ) 特殊メイクコーディネイト:原口智生 造型コーディネイト:若狭新一 ロケ協力:広島フィルムコミッション、佐賀県フィルムコミッション、いばらきフィルムコミッション、武雄市、みろくの里、テレビ新広島、サガテレビほか 技術協力:ビデオスタッフ、バスク 美術協力:フジアール 照明協力:東新、AND FILM STUDIO スタジオ:渋谷ビデオスタジオ、日活撮影所、府中多摩スタジオ 制作協力:共同テレビ 製作:フジテレビドラマ制作センター 主題歌:秋川雅史「千の風になって」 ◆出演 中岡元:小林廉 中岡進次/近藤隆太:今井悠貴 中岡大吉:中井貴一 中岡君江:石田ゆり子 中岡浩二:中尾明慶 中岡英子:小野明日香 朴永甫:勝村政信※原作と異なり、「パク」と発音される 矢部医師:平田満 鮫島伝次郎(町内会長):小野武彦 沼田先生:大河内浩 菊代:さくら 特高刑事:田中要次 警察署長:矢島健一 佐伯司令官:升毅 林清子:りょう 倉田伸介:村田雄浩 吉田政二:成宮寛貴(友情出演) 林セツ:左時枝 浜田警察官:市川勇 吉田花子:深浦加奈子 田中校長:鶴田忍 医師:小林すすむ 豪邸の主人:ト字たかお 吉田英造:佐藤B作 耕作:杉本哲太 ウメ(耕作の妻):中島ひろ子 林辰夫:山下タクロー 林竹子:松浦寿來 中岡元(2007年現在)/ナレーション:山本學 たくさんの人の死があった。だが、総じて言えることは、悔いがないとは言い切れないが、各々が死ぬまで生きたということだ。不本意な死に人生を生ききれたとまで言える者がいるだろうか。それは各々の死ぬまでの生きざまによる。例えそれが突然の死であろうとも、人がいつ死ぬかなど、人には知りようがないのだから。 先に死んだ彼らが、生き残った者がいつまでも下を向いて生きることを望んでいるとは思えない。むしろ逆だろう。それは「千の風になって」の歌詞にあるように。だからこそ、今回のスペシャルドラマが成り立つ。 原作は読んだが、忘れている点が多いので、原作は原作として置いておく。特に比較する必要もない。 前編では、家族というものを思う存分に時間をかけて描いていた。それがあるから、後半の悲惨さが際立つ。幸福があるから不幸が存在するということを幾分か踏まえていたように思う。 社会背景、時代背景、中岡家の扱われ方については触れないでおこう。その他、最初のポツダム宣言の内容と原爆投下後の内容の差異などにも。また、平和記念公園の碑に書かれた言葉についても。なにごとも勉強が必要なのだろうね。 前半は、とにかく中岡大吉の父親っぷり、と言うより、男っぷりが格好良かった。あのように自分の背中を見せることで、それを見ている子供たちが育っていくのだと思う。母も父を支えて子供たちがいて、家族が成り立っている。ぽんぽんゲンと進次の頭を叩くのは、昔ながらの光景なのだろうが、時に恐さや痛みを与える父親の存在は必要かもしれない。言葉で伝えられた内容を自分のものにできるほど、ゲンたちはまだ大人ではない。その意味で、体罰の持つ意味というものを現代人は考える必要があるだろう。体罰と言ったが、愛情があって初めてぶつことができる。叱ることができる。どうでも良いのならば、最初から無関心だ。今はそういう時代ではないだろうか。 そうした愛情基盤があって、初めて家族が成り立つ。大黒柱はやはり父であり、それを支えるのは母だ。子供たちは親の背中を見て育つ。家庭においてそうであり、社会においても同じこと。社会の子供は社会の親たちを見て育ち、そして今、現代社会がある。摘み取る必要がある悪意ある芽があるのならば、早めに行なう必要がある。なにが良くてなにが悪いのか。なにが望ましくて、なにが望ましくないのか。その区別が現代人につくだろうか。 諸行無常は世の常であり、ドラマで描かれた家庭像は今から六十年以上前の姿であるが、家庭がどのような形態をとろうとも、愛情が必要だということは、このドラマからも見て取れる。人間関係のひとつの形態。普遍なるもの。いったいなにを読み取るかは見る者によって異なるだろうし、異なって当然だ。そうした異なる人々で社会が形成されている。だが、家庭に戻れば、誰もがみな、家庭人だ。そう大差はない。人は人である。むろん、家庭においてのみではなく、社会においてもそうだ。どのような社会が未来に創造されるかは、今を生きる人々の望む先にある。 前半はゲンの家族の描写が長すぎる印象を受けた。後半を考えれば仕方がないのかもしれないが、その分、後半の隆太との出会い、政二のエピソード、友子について、急ぎ足になってしまった感は否めない。もったないことこのうえないのだが、尺を考えればいたしかたないと言ったところか。 大吉の父親ぶりも良かったが、君江の母親ぶりも凄みがあった。原爆直後と終盤の姿。違和感がない、演者の母親役。また、子供のゲンこと元も大したものだと思ったが、進次と隆太の演じ分けぶりが信じがたいほど違和感がない。大した演技ぶりだと思う。 それにしても、子供の元気さはどのような状況においても、未来を感じさせてくれる、貴重であり、重要な宝だと思った。子宝と言うが、その存在意義は大きい。現代の少子化に一石が投じられれば良いが、そのためには行政の社会作りが不可欠だ。なにがいったい大事なのか。為政者、行政、または、財界などを見ていけば、この日本をどの方向へ進ませようとしているのがなんとなく見えてくる。一般市井がいて国は成り立つもの。我々の未来を一部の人間の都合の良いものにさせてしまって良いわけがない。選挙の投票率や一部の政治家の不思議な人気を見ていると、いったいなにを見ているのかと思う時がある。あくまで個人的にだが。そんなことは今はどうでも良い。 できるのならば、この作品を連続ドラマで見てみたいものだね。原作の海外の評価も高い。大したものだと思う。何十年も前に書かれたものが、現在でも鑑賞に堪え得るのだから、そこにはなんらかの普遍性が宿っているとみて良いだろう。 この作品が一部の思想集団や市民団体に利用されるのは由々しきことだが、作者の理念を超えて、真実のカタチを知る良い機会に成り得る作品だと思う。原作も、そこから派生した今回のドラマについても。 =========================================== ☆Shopping in minnadesiawase☆ Update H19.7.13 ------------------------------------------- ☆毎日の暮らしを彩るもの☆ =========================================== お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 12, 2007 01:27:11 AM
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