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カテゴリ:ポストカード
いよいよ最終回。(前編と中編へは↑の「前の日記へ」をクリックしてくださいね。)
*** スピコンも終了時刻まぢかとなり、片付けをし始めたとき ツキの天使さまが若い女性の姿をして私の前に現れました。 「あのっ、まだお願いできますか?」 「はい?」 彼女はお友達の女性とふたり連れで、まっすぐに私を見ていました。 「お母さんありがとうのカードを創ってほしいんですけど、、」 (!!!) とうとう、初めてのお客さまが現れてくれた! 「はい、もちろん!ありがとうございますっ」 喜んで引き受け、彼女のお話を聞いてみると、 自分自身がお母さんに「ありがとう」と言っているような感じで創ってほしいとのことでした。 そこで、描きおろすだけの時間を頂いて仕上がり時刻を指定させてもらい その時にまた来てもらうことになりました。 彼女たちが一旦ブースを離れると、みゆさんと目を合わせて喜びました。 「よかったね!!」 「、、、うん!」 さぁ~、お客さまが戻ってくる時間迄に、急いで描きあげなければ! 一度は仕舞った画材をもう一度机に出し、周囲が慌ただしく片付けに入っているなか 早速、彼女のための(そしてお母さんのための)カードを描き始めました。 彼女がいる間にすばやく脳に焼き付けた髪型や雰囲気を思い出しながら 彼女がお母さんに向けて花束を差し出している様子のイラストを、心を込めて描きました。 ペンを入れる手は興奮とドキドキにふるえています。 「手がふるえるよ~~、みゆさん!」 「がんばれ!いい作品になってるよ」 みゆさんの励ましを受けながら、限られた時間のなかでせいいっぱいの絵を描きました。 既に会場の片付けは進み、机は殆ど片付けられ、残っているのは私のところのみです。 (なんだか、給食の時間みたいだなぁ) 小学生の頃、ごはんを食べるのが遅かった私は、給食のあとよくひとりで教室に残っていたので、そんなことも脳裏をよぎりました。 そして、指定時刻の数分前に絵が描きあがりました。 「できた!」 きっと、喜んでくれるんじゃないかなぁ。 仕上がりを見たみゆさんも 「いい表情が描けてるね。今日ので一番いいよ!」 と誉めてくれました。彼女も、気に入ってくれるはず、、、 すると、ふたりがやって来ました。 「お待たせしました!どうでしょう、、」 「わぁ~かわいい♪嬉しいです。どうもありがとう。」 「いえこちらこそ、、、ありがとうございます!!」 彼女は、お友達とふたりで私の絵を誉めてくれ、とても満足して頂けたようでした。 お互いに御礼を言いながら、無事、初受注は終了。 喜びの感動にひたる間もなく、急いで机を片付け、私たちのスピコンは幕を閉じました。 私のつぶやきをSHIONさんが拾ってくれたことで、初めて参加することとなったスピコン。 みゆさんがいてくれたことで、ひとりでぽつんとならずにすみました。 Chieさんの提案で母の日カードを創ったことで、最後にお客さまと出会うことができました。 すべてがつながって、最後の最後に、ツキの天使が微笑んでくれたようでした。 様々な出会いやきっかけに、感謝と感動でいっぱいの1日でした。 また、この時ワークショップランドの龍玄さんに 「原画でも¥800だと、やっぱり通常のカードと比べて高い気がしちゃうからもったいないよ。 プリントしてもっと安く売ればきっと売れると思うよ! とっても、いい絵だもの、、」 とアドバイスを頂いたことがきっかけで、その後複合プリンターを新調し 「これ、普通のプリンターで出力してるんですか?」とよく聞かれる 現在の品質のカードが出来ているのです。 (龍玄さんとChieさんには、その後、セミナー会場で何度もお会いしたので、龍玄さんには御礼とともにこのことをお話したと思います) そして、この日出会ったお客さまからは、後日メールを頂くことが出来ました。 「この前はお母さんのカードをありがとう。 お母さんとは色々あって、、、だから本当にうれしかったのです。 色々ありすぎて、、、書こうと思いましたが長くなるのでやめますが でも、本当にありがとう」 (実際には言葉は違いますが、こんな感じの内容でした) これは、携帯からの短いメールだったのですが、はっきりとは語られない言葉のなかで お母さんとの間に様々な思いを抱えていらしたことが、とても強く伝わって来て 「この方は、お母さんと本当に色々あったんだなぁ。 でもきっとそれを乗り越えられて、感謝の気持ちを表したかったんだろうなぁ、、、。」 と思い、そういう気持ちを伝える道具のひとつとして 私のカードを選んでくれたことに、深い感謝を覚えました。 ご注文頂いた方から、後日メールを頂けるとも思っていなかったし またそれが(ハッキリとはわからないけれど)、とても深い感情をたたえるメールだったので 私自身がすごく感動しました。 自分の絵の役割に誇りが持てるような気さえしてきました。 その頃はまだホームページも創っていなかったので 彼女とは、それきりになっています。 (もちろん、御礼のお返事は出しましたよ) けれど、もし、私がもっと広いステージで活躍できるようになった頃 どこかで私の絵を目にして「あれっ!この絵はどこかで、、、」 と思い出してくれたりしたら嬉しいなぁと思います。 そういう日が来ることを夢見て、、、。 ほんとうに、溢れるような感情をのせて伝える、あたたかいツールとして みなさんのお役に立てることをしていきたいと思えた、私の原点のひとつともいえる出来事。 そして、今でも思い出すとじんとする、たいせつな大切なお話なのです。 (みなさま、最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!) ーFinー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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