2006/05/16(火)20:04
好きなSF小説
「一番好きなSF作品は?」とか、「一番好きなSF作家は?」とか言われても、非常に困る。
好きな作品も作家もたくさんありすぎて、一番なんて決められない。
それは誰でもそうだと思うけど。
あえて選ぶとして、一時期(20年程前?)は
クリフォード・D・シマックの「子鬼の居留地」と言っていた。
そのときは本当にシマックが好きで、「牧歌的」と言われていたその作風が大好きだった。
生きとし生けるもの全て(それこそ無機物にいたるまで!)に対する愛情が、全ての作品に感じられる。
それから、少しだけ哀しさも。
この哀しさがあるから、シマックの作品が大好きだった。
あー、こうやって書いてるとまた読みたくなってきた。
「都市」とか「中継ステーション」とか、外れは無いって感じですよ、ホント。
もっとも、最近の作品(あったとして)は、ぜんぜん知らないけど。
いまなら、何を選ぶか。
昔の作品ばっかりだけど(新作とか全然読んでないし)、
ゼラズニィの「光の王」。
主人公は仏陀なんだけど、ブラフマンやカーリーといったオリエンタルな神話のキャラクターが入り乱れて、独特の神話世界を作り出している。
とにかく、自分の好きな 「かっこいい」 作品になっている。
いかにもゼラズニィらしい、「哲学」もきちんと書かれていて、いろんな方向から楽しめる。
ちょっと分厚いけど、読み出したら止まらないくらい面白い作品。
自分は、あんまり同じ作品を読み返すことはしないんだけど、
これはもう、四回くらいは読み返してると思う。
こういうSFって、最近はあんまりなさそう。