653493 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

レムリアからの転生旅行者

レムリアからの転生旅行者

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

神坂俊一郎

神坂俊一郎

Freepage List

Oct 15, 2022
XML
テーマ:超能力(33)
カテゴリ:サヴァン症候群
今年は、9月になったらそれなりに涼しくなってきた那須ですが、台風14号が通過した20日、昼までは雨でも暑かったのが、晴れたと思ったら5度ぐらい一気に冷えました。
22日朝は13度。あっという間に冬になるのかなあ。電気も灯油も高いから、余り寒くならないといいなあと思っていたら、24日は台風15号の余波で豪雨の一日。幸い水はけが良すぎて昔は不毛の地であった那須野が原、洪水にならずに済みました。
で、通り過ぎたと思ったら、14号の反対で、夏に逆戻り。困った季節ですが、10月になったらまた寒くなってきました。
冬までは行きませんが、あっという間に秋です。
さて、続きです。

サヴァン症候群の特徴の一つは共感覚だと言われます。
よくあるのが音が色に見えることだと言いますが、一郎君の場合はどうなのでしょう。
美奈子さん、興味があったので聞いてみました。
「あなたには共感覚はないの。」
一郎君、音が色に見えたことはありませんし、そもそも何が共感覚なのか、ピンと来ませんでした。
実際、共感覚を持っている人は、普通にある感覚なので、自覚できないことが多いと言います。
「わからないが、僕の場合は音が感情にはつながっていたかな。」
普通の人間の美奈子さんには、音と感情がつながると言われても理解できません。
「どういう状態なの。」
「異常とは思えないのだが、この音は悲しいとか明るいとか暗いとか、音が感情につながっているわけだ。だから、小さい頃はバイオリンやピアノを弾いて、音と一緒にいろいろな感情を楽しんでいた。」
普通の人間の美奈子さんには、やはり理解できませんでした。
「さっぱりイメージ湧かないわ。この曲は楽しいとか悲しいとかならわからないでもないけど。」
音楽としては理解できそうに思えた美奈子さんでしたが、一郎君にはむしろそちらの感覚は乏しいのです。
「僕の場合、音楽として感情に訴えて来ることの方がないな。感情と言われると、歌の曲と歌詞のつながりが感情に訴えて来る感覚はわかるけど。」
それは普通です。
「共感覚じゃないわよね。」
「共感覚を持っている人間は、何が共感覚なのかわからないとも言われている。僕の場合は、単純にこの音、特に和音、は嬉しい、この和音は悲しい、そんな感じであって、純粋に音なんだな。」
「私には、そっちの方がわからない。」
一郎君、人間には理解しにくくても動物の方が伝わると思いました。
「動物の方が敏感かもね。」
「というと。」
「僕が音を楽しんでいると、小鳥がやってきて聞き入っていたことが何度かあった。内2回は文鳥だったのだが、そのまま我が家に居ついてしまった。その時には、僕が楽しんでいる感情が音となって鳥に伝わっている実感があった。」
美奈子さん、この家に来て初めて飼った猫のことを思い出しました。
「そう言われてみると、ニャンコには伝わっていたような気がするわ。あなたがピアノを弾くと、膝の上で気持ちよさそうに寝ていたけど、次女の智が弾いたらゲロしたわ。」
大笑いの実話でした。
「ありゃ、嫌々弾いているのがもろに伝わったのだろう。猫をゲロさせるとは、別の意味で才能だな。」
「でも、我が家の子供たち、私に似たのか、音楽の才能は無さそうね。」
美奈子さん、夫と違って子供たちには音楽の才能はないと思っていました。
「智は、ピアノはダメだったが、歌の才能はあったな。僕に似たのか肺活量は大きいようで、小柄なのに声量は凄かったな。コーラスであの子の声だけはしっかり聴き分けられた。」
美奈子には娘の声を聞き取ることはできませんでしたから、それも夫の才能なのだと思いました。
「違うわよ。あなたのような絶対音感がなかったら、聞き分けられないわ。」
「そうなのか。僕にははっきりと智の声がわかったのだが。」
一郎君は、誰にでもできると思っていました。
「あなたとは違うのよ。」
「そうなのか。僕も衰えたから平和になったけど、絶対音感が凄かったときは逆に困った。」
美奈子も、聞いたことがありました。
「ああ、心臓の音が気になって仕方が無かったってやつね。」
「そう。それで、3歳の時に、心臓を止められるというヨガの行者がテレビ番組に出ていたから真似してみた。」
「当然、止まらないわよね。」
止まったら死んでいます。
「いや、3秒ぐらい止めることには成功した。」
「ほんまかいな。」
「でも、3歳でも賢こかった一郎は気付いた。このまま心臓が止まっていたら死ぬことに。」
美奈子さん、大笑いしました。
「賢い一郎なら、やる前に気付きなさいよ。」
一郎君、3歳でも滅茶苦茶賢かった半面、誰にでもわかりそうなばかなことでも、とにかくやってみるところがありました。
「この時に、息を止めたり、いろいろ試したせいで、肺活量が人一倍大きくなった気がする。」
一郎君、決して大柄ではありませんが、最大時は6リットルを超える肺活量があったのです。
「北海道でこの人脈がありませんと言われ、医師からも何故脳死していないんだと不思議がられたと聞いて私は焦ったけど、その肺活量のお陰で心臓が止まっても酸素がわずかでも供給されて脳死にならなかったのかもしれないって言ってたわね、けど、小さい頃から変なことばっかりしていたのね。」
彼、北海道出張で脱水症状で具合が悪くなり、脈がない状態が10分以上続いたことがあったのですが、それでも生きていたのは肺活量のお陰かなと思っていました。
「そのとおり。10歳ぐらいまで、好奇心の赴くまま、傍若無人に振舞っていたな。」
美奈子さん、話を戻すことにしました。
「不思議なんだけど、あなた、人の顔を見分けるのはめちゃくちゃ苦手なのに、お化粧したり髪型変えたりしたりして、ほんとに別人みたいに変わっても、それは見抜くわよね。私が髪の毛バッサリ切ってお化粧した時なんか、職場の同僚たちが誰も私だと気付いてくれなかったのに、あなただけは一目で見抜いたし。それは、どんな感覚なのかしら。」
美奈子さん、一郎君と付き合う前に一度見事にイメチェンしたことがあり、その時には同じ職場の人間すら誰かわからなかったのに、彼は一目で見分けたのです。
大学の時も、大学の後輩で、普段は薄化粧で、ロングスカートしか履いていなかった聖護院真智さんが、お化粧してミニスカートで現れた時、余りのイメチェンにみんな誰だかわからずに戸惑っていたのに、彼だけは一目で見抜いたのです。
「ああ、そう言われると何度かそんなことがあったな。そうだなあ、確かに顔かたちで見分けているわけではないな。その人に特有の一種の波動のようなもので見分けている感じかな。」
それなら、誰でも見分けられそうなものです。
「私と、大学の後輩とは見分けたと聞いたけど、他の人は。」
答えが笑えました。
「興味が無い相手を見分けようとは思わない。」
つまりは、その後輩と私は興味がある相手だったわけですが、もしかしたら、それも彼の共感覚の一つなのかもしれないと思いました。
「あなた流の共感覚の一つなのかもね。」
「そうかもしれない。」
美奈子さん、一郎君は、音の感覚だけでなく、音楽の才能にも稀有なものがあったと聞いていました。
「共感覚とつながるのかわからないけど、あなたは10万人に一人の音感を持つと言われた天才児だったのでしょう。」
美奈子さんのいうとおりで、一郎君、幼稚園の時はヴァイオリンの天才、小学生の時はピアノの天才と言われていて、有名な音楽大学の教授が、2歳の頃から英才教育した息子も、彼にはかなわないと脱帽していました。
「何でも簡単に出来過ぎると、やる気にならなかったってところかな。」
「もったいない。」
「今だから言えるけど、3歳でヤッシャ・ハイフェッツのレコード聞いてその真似ができた天才児で、鈴木バイオリン教室の創始者の鈴木鎮一氏にも、名前は憶えていないが、海外の有名なバイオリニストにも直接褒められたことがあったから、確かにもったいなかったかなあとは思う。でも、当時はそんな才能が何になるのかわからなかった、いや、むしろ全然興味が無かったに近かったかな。」
「その才能、生かしたいとは思わなかったの。」
美奈子さん、自分には全くそんな才能はありませんでしたから、羨ましいとは思わないまでも、大変現実的な夫が、才能を生かそうとしなかったのは不思議でした。
「今の僕があるのは、そんなことにかまわなかったからだし、今の自分が一番幸せだと思っている。」
美奈子さん、一郎君があっさりと言い切るのが信じられませんでした。
「本当にそうなのかしら。」
「サヴァンの予知の話はしただろう。」
確かに、彼のサヴァン症候群由来と思われる未来予知には、絶対的なところがありますが、それが一番幸せと言い切るところが信じられません。
「私と結婚して、こんな生活をしていることが一番幸せなの。」
「ああ、そう思っている。美奈子と出会った時、将来の妻と認めて、全く迷わなかっただろう。」
これはそのとおりで、初めて会った日に、「今日、将来の妻と出会った。」と日記に書いていましたし、半年後に付き合うことになった時も、美奈子さんは、願ったりかなったりで狂喜乱舞ものだったのですが、京大卒のエリートの彼が、田舎の高卒の自分と真面目に結婚前提で付き合ってくれるとはまだ信じられなかったので、思い切って、「真面目な、結婚前提のお付き合いをお願いします。」とお願いしたら、「最初からそのつもりだよ。」とあっさりOKしてくれたのです。
「そうね。あなた自身は、全く迷いが無かったわ。あなたと結婚前提で付き合い始めたら、私が垢ぬけてきれいになったものだからか、それまで全く相手にしてくれなかった3人の男性から相次いでプロポーズされたりして、むしろ私の方が迷ったわ。無事結婚できてからも、お母様には苦しめられたし。」
一郎君、感情欠陥ですから、今は亡き佐々木氏に、「普通の人間なら、いくら母親でも、あれほどひどい仕打ちをされたら、ぶっ殺しとるわ。」と言ったほど母の高子さんにひどい目に遭わされ続けても、無表情に善後策に終始していました。
美奈子さんは、義母の仕打ちのために何度も離婚しようと思いましたが、一郎君は、「これが、母に嫌な思いをさせられる期間が最短で済む最善の策だから我慢してくれ。」と言って、離婚の話には全く応じませんでした。
事実、3年間は介護で地獄の苦しみを味わいましたが、加速度的に認知症が進行したこともあって、特別養護老人ホームに優先的に入れてもらえましたから、一郎君の言うとおり最短で済んだのは事実だったのです。
「あなたが、私との結婚生活に全く迷いが無かったことはよくわかるけど、それがあなたの一番の幸せなの、それは信じられないわ。」
美奈子さん、サヴァンの天才の夫には、絶対もっとよい人生があったように思われました。
「僕としては、この人生で、前世の課題を解決できたから、それ以上の幸せはないよ。」
前世の課題と言われても、普通の人間には理解できません。しかもそれは、自分のことではなく、私を幸せにすることだと言うのですから。
「私と結婚して、幸せにすることが前世の課題だったとあなたは言い切るけど、あなたにしかわからないわよ。」
そうは言ったものの、美奈子自身、一郎は何としても自分のものにしなくてはならない男と感じていたことは事実でしたから、そこには彼の言うように前世の課題があったと考えれば、納得はできました。
「これ以上はない。今は幸せだ。」
確かに現状は、大金持ちではないものの、不自由はない豊かな生活ができています。
「大変なこともいっぱいあったけど、それでも幸せなのかしら。」
美奈子さんにとっては、義母高子さんの仕打ちには、何度か殺意を覚えたほどでした。
「でも、何とかやってこれたからこそ、今の我々の幸せがある。そして、それこそが大変な幸せだと気付ける。」
夫の言う通りで、平穏無事なまま今の状態を手に入れていたら、その幸せには気付けなかったと思いました。
「それは、認めるわ。でも、あなたがその能力を生かせば、大金持ちでも何でもなれたような気がするんだけど。それに、就職の時だって、おじいさまとお母様と大学閥のコネを使っていたら、どんな大企業にでも入社できたし、出世だってできたんじゃないの。」
祖父貴尚は、農家の五男でしたが、財閥系企業の山口工場から大阪本社工場に栄転し、工場長にまで出世して退職した後、経験と人望を買われて大阪の工業高校の校長まで務めた人物でしたし、その兄は、何と祖父とは別の財閥系の日本を代表する総合商社の社長にまでなった人物だったのです。また、母高子が弟のように可愛がっていたのが、今や日本の政治界の重鎮となっている政治家だったのです。当然、一郎君自身の京大閥もあります。
一郎君、笑いました。
「祖父の家族のコネは、亡くなってから10年以上たっていたし、考えもしなかったな。母のコネは、最初から願い下げだった。美奈子は、彼女のさげまんぶりは知っているだろう。」
確かに義母高子は、夫常和だけでなく、かかわった男性は、全員没落したうえに不慮の死を迎えた者もいました。
「そうねえ。嘘でしょと言いたいぐらい、彼女に関わると見事に不運に見舞われていたわね。」
「だから、もしそんなことしていたら、日本の経済、政治にも大打撃を与えかねなかっただろう。」
大げさな話ですが、あり得ない話ではありませんでした。
「あなたのお父様も、元は一流の商社マンだったのよね。」
一郎君、4歳の時に父常和が務めていた一流商社の大阪支社に見学に行ったことがありました。
「そう。そのまま普通に勤めていたら、たとえ出世はしなくても、そこそこのポストにはつけて、一家は平穏に暮らしていけたはずだし、祖父貴尚が持っていた、今なら数十億はくだらない広大な土地や財産も残っていただろう。だから、高子の最初の犠牲者は父常和、次が祖父貴尚と祖母鶴子、その次が不動産会社社長の佐々木政男氏、そして母にプロポーズした一流の料理人だった小柳誠氏、後添いにと望んだ、京都の大金持ちのご隠居だった柳宗次郎氏、他にもいたな。」
美奈子さん、夫から一応聞いたことはありましたが、全員高子さんと関わった後没落するか亡くなるかしていたのです。
「だから、今の状態が一番ってことなのね。」
「そう。僕は、両親のお陰と言うか、凄い人生勉強ができた。普通の勉強も難なくできる才能にも恵まれたが、人生勉強の方が大切だったと思う。」
美奈子は、その内容を聞いてみました。
「人生勉強って、どんなことを学べたの。」
「一番わかりやすいのは財産だ。人間、器がある。器のない人には、財産が身につかない。元々財産は、自分で築くもので、自分で稼いだものしか身につかないものだ。」
言われてみるとわかりやすい内容でした。
「だから、今が一番と言い切るわけね。」
「そう。」
「まあ、そんなあなたに選んでもらえたことはラッキーだったと言っておくわ。」
でも、サヴァンの一郎君には致命的とも言える欠点もありました。
美奈子さん、今現在の自分を考えると確かに幸福なのですが、夫は普通の人間なら感情的に反発するということが、その理屈が、全く理解できないのです。
彼の言うことは正しい、することも正しい、ともすると正しすぎる、でも、そこには普通の感情がないのです。
義母のことも、結果的には良かったのですが、その時々で家族が滅茶苦茶に嫌な思いをしたことは、全く無視なのです。
ただ、それも彼の人生を考えると理解はできました。
何度も殺されかけた虐待母に、息子の彼は、親孝行で返しました。
彼女にはどうして夫がそこまで孝行できるのか、理解不能だったのですが、結果的には正しかったとしか言いようがないことがこの何十年続いています。
感情欠陥の夫とは、ロマンチックな恋愛関係はありませんでしたが、家族の衣食住の保証、子供たちの教育、そして、妻の私に対する教育とサービス、服でも貴金属でも、よいものを惜しまずに与えてくれたこと、には不満はありませんでした。
ただ、彼には一般的な家族や妻に対する思いやりは欠けていました。
でも、サヴァンの彼には、普通の思いやりの感情自体が理解できないようなのです。
結局、今の自分は幸せと言えますから、夫に人間的な感情を求めるのは諦めることにしました。

続く。(だろう)

画像は、庭のシュウメイギク、玄関の石畳の上のツマグロヒョウモン(蝶)、アカガエル、そして庭のアザミ(オオヤマボクチ)とコムラサキ(蝶)です。











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Aug 9, 2023 09:02:15 PM
コメント(0) | コメントを書く


Calendar

Favorite Blog

輝いてます! yuu1325さん
小さな雑貨屋さんブ… マジョリンさん
Paris暮らし Flutiste Mariさん
ペットのホリスティ… Kar-Mo-Cha-さん

Comments

Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞8(10/04) 記紀とは違うヤマトタケルを興味深く拝読…
Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞1(09/21) ずうずうしくリクエストをしたYokoです。 …
Yoko@ Re:ヤマトタケル?2(04/19) 21日のご返信に気が付かず、ご返信せずに…
神坂俊一郎@ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ アメーバブログも確認したら全…
神坂俊一郎@ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ 既に発見されたかも知れません…

Headline News


© Rakuten Group, Inc.
X