116484 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

.                      和屋 ~wa ya~

. 和屋 ~wa ya~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006.02.09
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
私の友人の中で最高齢の方は、80歳を超えた詩人。
反戦詩で名を馳せたというが、当時のことは勿論知らない。私の知っているのは、メガネのお洒落が好きで粋な帽子を被っていらして、小さな瞳の奥に優しい光をたたえた穏やかなお顔。50歳も年齢の離れた私とも気さくに話してくださった。
70歳を超えてもなお詩への情熱は衰えず、地元の子供たちの詩の朗読会を主催されて、そのステージの進行をお手伝いしたことも。舞台の演出をされる真剣なまなざしが、とても素敵だった。

生涯が旅とおっしゃるとおり、日本全国を転々とされ、今は温暖な地域に居を構えていらっしゃる。年賀状のやりとりの他に、1年に1回くらい電話でお話をするくらい。
もう数年、お会いしていない。
昨年は彼の最新の詩集をプレゼントしていただいた。こんな若輩者を気にかけてくださったことにいたく感激したものだ。

先日、共通の知人が出演した番組のビデオをお送りしたところ、早速お礼状をいただいた。改めての封書なんてはじめてのこと。原稿用紙が便箋代わりというところがいかにも。そして独特の丸い文字で優しい言葉がしたためられていた。
ビデオの感想と、日常のささやかな出来事について。平易な文章なのにとても心に染み入るもので、何度も読み返して涙がこぼれてきた。さすが詩人。言葉の達人。説教じみた台詞はひとつもないのに、生きることに希望が見出せるような手紙だったのだ。優しい光が差し込むような。

その鋭敏な感性は、美しいもの楽しいものばかりではなく、醜さやむごいものもたくさん感じてこられたんだろう。時には痛みも伴って。そして今、そこにいてくださるだけで「あたたかいもの」としての存在感。

不思議な縁で繋がった人。そして今も繋がっている人。この出会いに感謝しながら、未熟な私はその存在感に臆することなく彼の人生の晩年の舞台の端っこで、彼の言葉を聴いていたいと思うのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.02.10 00:48:23


PR

プロフィール

miwa♪

miwa♪

カレンダー

カテゴリ


© Rakuten Group, Inc.
X