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カテゴリ:癒しの心
これでいいのかな、国民を愚弄する自己中心安倍政権のおごりと忖度省庁横暴で腐敗した日本の政治?! 核兵器禁止条約に参加しない日本に被爆者の怒り「どこの国の総理ですか?」
金正日 (c)朝日新聞社
核兵器保有国と保有規模の現状(AERA 2017年10月2日号より) 被爆者が待ち望んだ核兵器禁止条約の発効手続きが国連で始まった。被爆者にとっては、核廃絶への確かな一歩。だが、そこに日本政府の姿はなかった。 「どんな言葉がいいか、ずっと悩んでいた。総理の胸に迫る最も厳しい言葉にしようと考えて、あの発言になった」 多くの被爆者は、川野さんと同じ気持ちだった。広島県原爆被害者団体協議会副理事長の箕牧智之さん(75)は言う。 「なかなかの度胸がないと言えないことだから、よくぞ言ってくれたと思った。気持ちを代弁してくれた」 箕牧さんは、今年6月の核兵器禁止条約の交渉会議を国連本部で直接傍聴した被爆者の一人。日本が参加しなかった交渉会議の議場には、「JAPAN」と表示された席だけは用意されていた。誰も座ることがない日本の席に近づいた箕牧さんは、そこに広島から持ってきた折り鶴を置いた。日本政府に対する「静かな抗議」の表明だった。 これまでの核廃絶をめぐる国際社会の動きは、核保有国が所有する核兵器の数を段階的に減らしていく核軍縮と、非保有国が新たに取得することを防ぐ不拡散の取り組みが中心だった。 戦略兵器制限条約(SALT)や戦略兵器削減条約(START)、中距離核戦力(INF)全廃条約といった米ソ(ロ)の2国間交渉や、核不拡散条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)といった国際交渉を通じ、その時々の国際情勢で一進一退を繰り返しながら、核弾頭の数は確実に減っていった。1980年代の米ソ冷戦のピーク時には6万~7万発あったとされる核兵器はいま、1万5千発とも1万発とも言われるまでに削減されている。 ●破壊力を知ったゆえに こうした流れには日本政府も積極的に関わった。広島、長崎両市、そして被爆者たちの核廃絶への思いも、核兵器の破壊力や殺傷力を世界各国に認識させる大きな推進力となった。 一方で、その破壊力を知ったがゆえに、核兵器の保有こそが敵国に攻撃を抑止させる最善の安全保障策だとする考えが、国際社会に根を張った。核を持たない日本のような国は、同盟関係にある核保有国の核の傘の下に入ることで、核抑止力を間接的に手にした。抑止力を得るために、米ロ英仏中の核保有国以外でも、インドやパキスタンが核兵器を保有。公式発表はされていないが、イスラエルも事実上の核保有国。そして、いま北朝鮮も核兵器の開発を急速に進めている。 こうした動きは、広島、長崎両市や被爆者たちが求める核廃絶の訴えとは根本的に異なる。だからこそ、核兵器禁止条約は、原爆被害から72年という長い年月をかけて、ようやくたどり着いた「理想」の条約だった。 ●政府と被爆者が別々に 逆に核抑止論を重視しながら核軍縮や不拡散を進めようとする国々は、一斉に反対を表明した。そこに日本が含まれていることへの、被爆者たちの失望は大きい。同じ「核廃絶」を唱えながら、その手段をめぐって政府と被爆者が別々の道を歩き出した決定的瞬間でもあった。 核兵器禁止条約について、交渉に参加しなかった米国のヘイリー国連大使は、 「北朝鮮が核兵器を廃棄すると信じる人はいるだろうか。現実的にならなければいけない」 と、深刻な国際問題となっている北朝鮮を引き合いに出して条約の実効性に疑問を呈した。 条約は最低でも50カ国が署名し、国内手続きを経て批准しないと、発効しない。その後も核ミサイル実験を繰り返す北朝鮮の問題が、条約発効手続きに悪影響を及ぼすのではないかと不安視する声も上がりだした。 前出の箕牧さんは、 「ようやく、たどり着いたと思ったのに、私たちの願いは、また空高く手の届かないところへ行ってしまうかのようだった」 と心配したが、条約を採択した国々の政府の意志は固かった。 ●来年中に発効の可能性 9月20日、条約の署名式が国連で開かれた。この日、署名したのは50カ国。数カ国は、すでに批准まで終えていた。署名と批准が50カ国となった時点から90日後に条約は発効する。次の焦点は、署名各国がどれだけ早く批准の国内手続きをできるかだが、来年中に発効する可能性もでてきた。 もちろん、核保有国や核の傘下にある国々が条約に参加しなければ、ヘイリー大使が言うように実効性は担保されない。唯一の被爆国である日本政府も署名しない方針を変えていない。 全国に支部を持つ日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、核廃絶を求める国際署名を集めるための連絡会議を発足させた。署名は今月末にとりまとめ、10月には国連に提出予定だ。日本政府への働きかけも続ける。そもそも核兵器禁止条約自体を知らない人も多いとして、国民の理解を深めるための運動も展開していく。 前出の川野さんは、 「国民と一緒に考えるような場に持っていくことが重要だ」 として、安倍政権の判断に委ねるのではなく、国会での議論の必要性を訴えた。 箕牧さんも言う。 「被爆者の平均年齢は81.4歳だが、生きているうちに核兵器のない世界を見たいというのが我々の本音。体にむち打って、頑張らないといけない」 被爆者だからこそ、その訴えが世界を動かしてきた。条約の前文に「核兵器使用の犠牲者(ヒバクシャ)と核兵器実験の被害者にもたらされた苦痛と被害を心に留める」と記されたことが、それを証明している。 (編集部・山本大輔) ※AERA 2017年10月2日号 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.09.27 08:45:29
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