テーマ:モバイルよもやま(4413)
カテゴリ:企業
ものづくりのデジタル化が進み、新興国が消費、生産の両面で台頭してきたグローバル市場においては、"スピード"と"思い切った投資"が勝敗を決する。とにかく大事なのは、「先頭を走る」こと。二番手であればわずかなおこぼれにあずかれる程度で、三番手以降には利益はないというのが、世界標準の考え方だ。
トップになるということは、生産性を上げる、あるいは1個当たりのコストを下げるということを意味する。市場にいち早く乗り込んで、トップのシェアを獲るからこそ、固定費の負担を軽くし、原材料の調達コストも下げることができるし、次の投資余力が生まれてライバルに差をつけることができる。「デジタルものづくり」の利点を最大限に生かし、市場ごとに派生モデルのバリエーションをもたせながら、より多くの製品を安価で提供する体制を整え、グローバル化の果実(利益)を手中にすることができるのだ。 サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は常々、「ナンバーワンになれ」と言っていた。日本の電機メーカーは、オンリーワンだ、独自技術だといって、三番手四番手に甘んじていたから、今日のように人員を削減したり、工場を売ったりしなくてはならなくなったともいえよう。 「世界で何が起こっているのか?~ものづくりの勢力図を塗り替えたグローバル化とデジタル化」で、グローバル競争は「リーグ戦」ではなく「トーナメント戦」だと述べた。リーグ戦なら敗者復活の機会は何度もあるが、トーナメント戦は、どんな優勝候補であっても、一度負けたら次はない。トーナメント戦においては、1位にならなければ市場を支配することはできない。産業構造のグローバル化が進んだことで、この優勝劣敗の構図は、以前にもましてシビアになっている。こうした状況にあるからこそ、従来以上に意思決定のスピードが問われているのだ。 また、日本の場合、「未決」「既決」「保留」に分かれたトレーがあって、いまだに上司が不在だと決裁が必要な書類が山積みになり、何日も待たされる会社があるのではないだろうか。サムスンはそうしたロスをなくすため、CEOでも社長でも幹部でも、世界中どこにいても決裁や意思決定ができるシステムをITでつくり上げていた。 新しい商品を世に出したり、新しい市場に打って出たりする場合、それが成功すれば「先見の明」があったと賞賛されるが、失敗すれば「無謀な投資」だったと責任を問われる。だが、最初から100%の成功が約束されている事業などありえない。「先見の明」と「無謀な投資」は紙一重だ。経営者たるもの、「無謀な投資」を恐れて決断を先延ばしにするべきではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 15, 2014 02:01:39 PM
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