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カテゴリ:企業
トヨタ自動車の豊田章男社長は19日、都内で記者会見し麻薬取締法違反容疑で同社常務役員のジュリー・ハンプ容疑者(55)が18日に逮捕されたことについて「世間を騒がせて申し訳ない」と陳謝した。同社は4月、米国籍のハンプ容疑者を初の女性役員として起用したばかり。多様な人材を活用し競争力を高めるトヨタの戦略が試練に直面した。
東京本社の記者会見の冒頭で豊田社長は深々と頭を下げ「捜査に全面協力する」と強調した。逮捕容疑は米国から麻薬成分「オキシコドン」を含む錠剤を国際宅配便で輸入した疑い。国際宅配便は6月8日ごろ、米ミシガン州から発送されていたことが捜査関係者への取材で分かった。 ハンプ容疑者は容疑を否認しているという。豊田社長も「今後の捜査で法を犯す意図がなかったことが明らかになると信じている」と同容疑者を擁護した。 逮捕翌日に経営トップが記者会見した理由を問われると同社長は「私にとっては役員も従業員も子どものような存在。迷惑を掛ければ謝るのも親の責任」と説明した。2009年の米国の品質問題で対外的な説明が後手に回り、批判を招いた反省を生かしたようだ。 海外メディアの関心も高く米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などが記者会見を詳細に報じている。英紙フィナンシャル・タイムズ(同)は海外人材登用のリスクを指摘した。 ハンプ容疑者は12年にトヨタ米国法人に入り、4月に役員に就任した。豊田社長は「性別や国籍に関係なく適材適所で人材を起用する」ことを目指してきた。グループ内からは「人材多様化への焦りがあったのでは」との声が出ている。 グローバル人材の活用は日本企業にとって共通の課題だ。世界の最新の経営手法を吸収する窓口でもあり、採用を広げる企業は増えている。それだけに今回のトヨタのつまずきが経済界に与えた衝撃は大きい。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの藤井恵チーフコンサルタントはグローバル人材採用のリスク管理について「経歴を厳しくチェックするほか、以前勤務していた会社から人柄を聞くことも必要」と指摘する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 20, 2015 11:40:38 AM
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