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まいじー日記

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2005.04.16
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今日は念願のデンバー美術館に行った。

美術館は、デンバーダウンタウンの中のシビックセンターっていうエリアにあって、近くにコロラド州議会議事堂やデンバー図書館、USミント(貨幣鋳造所)もある。

美術館はちょうど拡張工事中で、作業を囲むフェンスにはこの機会を生かす期間限定・参加型アートプロジェクトの紙の手形がいっぱい結びつけられてひらひらしてた。美術館を訪れた人が紙の手形に好きなことを描いて、おみくじを木の枝に結ぶみたいにフェンスに結びつけるのだ。

1階はアーミッシュ・キルトの特別展、2階~6階が常設展示。土曜日は特別展以外は無料ということで、さっそくお目当てのネイティヴアメリカン・アートのある2階へ。デンバー美術館はこのネイティヴアメリカン(アメリカインディアン)の美術品のコレクションで有名なのだ。

2階はカナダやアラスカ地域の部族、3階は大西洋岸から山間部、南西部(ニューメキシコとか)、東海岸の部族という構成。バスケットや焼物、衣類の生活美術品(実際に使われてたものの他に現代作家ものもあった)、トーテムポールやティピ、祭事のお面など、また現代のネイティヴアメリカン・アーティストの絵画もあった。

2階にあった大きなトーテムポールやお面がよかった。お墓の守りという鳥の彫刻もよかった。模様や色使いがなんとなくアイヌのアートに似てる気がした。2階の片隅にあったLucy Qinnuayuakさんというイヌイットのアーティストの石版画も、素朴な線描きがとてもよかった。北→西→東と展示が移るにつれて、色合いが鮮やかになりビーズなどの素材も豪華になったようなのがおもしろかった。そもそも伝統的な生活美術品でも多くが19世紀前後と比較的新しいものが多かった。それだけネイティヴアメリカンの文化が押しつぶされたのがつい最近ってことなんだろうか。現代作家の作品の中には政治的メッセージが強いものもあった。その1つが「ウェインズ・ワールド」という絵で、俳優ジョン・ウェインの似顔とネイティヴアメリカンのお面のイメージを重ね合わせ、その下にジョン・ウェイン自身の白人による土地の収奪を正当化するような発言を引用しているもの。

4階は中央~南アメリカの古代美術(マヤやインカ、アステカ、などなど)とスペイン植民地時代の美術。整理された展示の他に、スタディギャラリーというまだ説明などが個別に用意されてない収蔵品がずらりと並んでいる部屋があってこれが見物。太平洋岸(コスタリカなど)のmetateという脚付の石臼がおもしろかった。ジャガーや長い嘴の鳥を模したものなどいろいろあって、素材の荒さと細工がぴったりしている感じですごくよかった。ジェイドや金の細工などもおもしろかった。

この4階のセミナールームというたぶん一番見逃してしまいそうな場所に、すばらしい作品があった。もう今日ここに来てよかった、これを見るためなら何回でも通っちゃう、と思える作品。なんとかリオスさんというフルコイ(Hulchoi)・インディアン作家の刺繍によるタペストリみたいな作品で、タイトルはたしか「フルコイの神・神話・祭りと未来」みたいな感じだったと思う。火の神様、月の誕生、太陽の誕生、水の神様、洪水、母なる大地、とうもろこし収穫祭り、太鼓の祭りなどの伝統的な(たぶん)モチーフが、4m×3mくらいの黒い生地いっぱいに色鮮やかな毛糸で描かれている。とにかくそれぞれのモチーフがすばらしくて、そしてその組み合わせもすばらしい。部分毎の解説パンフレットが備え付けてあったので、座りこんでじっくり見比べることができた。画面いっぱいの色鮮やかで生き生きした過去(神話や祭り)に比べ、ほんの右隅に描かれた未来は、年老いた長老たちが若者が現代化された都会へ出てしまって伝統を引き継ぐべき次の世代がいなくなってしまったことを悲しむ、という暗いもので、実際その通りのことが起きているわけなんだけど、この作品は美術品によって部族の精神を次の世代と外の世界に伝えることができるというある種の解決策かもしれないと思った。

5階はアジア美術。中近東から日本まで、幅広く集めている。日本の美術品や工芸美術品もけっこうあって、一瞬日本の美術館にいるみたいな気分になれた。蒔絵や螺鈿の家具や小物などほんとに細部まで徹底して美しい。改めて日本の工芸美術品の美しさに感動。他の地域の作品などと同じ美術館に並んでいると違いが際立つというか。大好きなイスラム美術の部屋もあって嬉しかった。

6階は西洋美術。よくある宗教画や肖像画の他に、テキスタイル・アートの展示があって、これがよかった。縄をよりあわせたみたいな「月の崇拝」とか、網で女の腰から脚をかたどった作品とか、印象に残った。

1階のミュージアムショップで「フルコイの神・神話・祭りと未来」のポスターか何かないかと思って探したけどなかった。残念。たぶん写真を撮ってもいいはずなので、次行くときには撮らせてもらお。

美術館を出て、シビックセンターの中心、リンカーン公園へ。ちょうどハナミズキの花盛りで、ピンクの花が青い空と州会議事堂に映えてとてもきれいだった。花見を楽しみながら州会議事堂へぶらぶら歩く。

デンバーは標高1マイル(1609m、5280フィート)のところにあるので、「マイル・ハイ・シティ」と呼ばれてるんだけど、州議会議事堂の階段の18段めがちょうど標高1マイルということで、この階段のところで写真を撮るのはデンバー観光の定番中の定番。デンバー情報誌「5280」の「デンバーに来たらやらなきゃいけないこと」特集でも、栄えあるNo.1を飾ってた(たしか)。ということで私も18段めでしっかり写真を撮った。

今日はもう閉まっちゃってて行けなかったけど、次回はもうちょっと早起きして図書館にもぜひ行こうと思う。日本語の本も少しあるらしい。あと平日に来る機会があったら州議会議事堂の見学ツアーにも参加したい。あと貨幣鋳造所もせっかくだからそのうち行ってみようと思う。

せっかく市内に来たので、ダウンタウンのはずれにある日本食品店「パシフィック商会」にも寄った。冷凍の納豆や鰻の蒲焼、がんもどき、蒟蒻、おせんべいやインスタントのカレーうどんなどを買う。お菓子とかインスタントヌードルはよけいかなと思いつつ、いつも食べられるもんじゃないからいいや、と思って。。






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最終更新日  2005.04.17 18:39:51
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