博多山笠の男衆詰め所から「不浄の者禁止」の看板を全
博多祇園山笠振興会(福岡市博多区、後藤久義会長)は1日の役員総会で、山笠を舁(か)く男衆の詰め所に立てていた「不浄の者立ち入るべからず」の看板を撤廃することを決めた。振興会には「不浄の者とは女性を指すのでは」との意見が寄せられており、「時代にそぐわない慣例は廃止する」としている。振興会によると、看板は6月から山笠が終わる7月15日まで、流(ながれ)の詰め所に立てていた。「山笠は神事にのっとって行う神聖なもの」との考えから、けがや病気で出血したりした人たちを避ける意味があったという。しかし、市民団体から「生理がある女性を軽視していないか」との意見が寄せられたり、人権擁護委員会から不浄の者の意味について問い合わせがあったりし、数年前から自主的に廃止する流もあった。この日の総会では、後藤会長が撤廃を提案し、役員約130人が「異議なし」と了承。今後、看板の表記を「関係者以外の立ち入りを禁ず」と変えることを検討している。後藤会長は「詰め所は精進を誓う男がいる神聖な場所。それを汚してはならないという意味で看板があった。女性を軽視していたわけではない」とした上で、「山笠約760年の歴史でいろんな変遷があった。誤解を与えるものや良くないものは廃止し、誰もが素晴らしいと思う祭りにしていきたい」と話している。博多の町の歴史に詳しい武野要子・兵庫大教授(福岡大名誉教授=都市史)は「山笠には、山にかける男たちを支えるたくましい女『ごりょんさん』がいる。不浄の者の本来の意味は、女性だけを指すものではないと思う。こうしたことで、祭りの本質が失われていくのではないか」と話している。こういうのって、難しい問題だよねぇ。。。たいしたことじゃないじゃん!って思う人がいる一方で、見過ごすものか!って思う人もいるだろうし。「昔からの伝統なだけだ」と言う一方で、「時代の流れと共に変えるべきだ」と思う人もいるだろうし。ていうか、「不浄の者」と言われて「それって女性のことじゃないの?」って考える方が、女性蔑視のような気がしないでもないのだけど…。