あたたかな別れ
「夕日が落ちると かげは全て闇に包まれ 海も山も空もいっしょくたになって 大きな一つの夜になった そして、ぼくたちは 一つであったことを確かめて かげを手放し 安心したように また別々に海を後にしたのだ」 『この手の空っぽはきみのために空けてある』 藤川幸之助 先日、さる方からいただいた本の121頁。他の頁にある言葉は 毒気がなく 壮大で 優しすぎて私には少し悲しくなってしまう詩が多かったけれど、この121Pの言葉は凄くしっくりときた。 夜は全てを内包する。安心して身を任せて 心を委ねた後、また別々の朝を迎えて ひとつの影を背負って歩く。 寂しいけれど悲しいけれど だからこそ、あたたかな言葉をくれる 友人達や家族の存在が救いの光になるのかもしれなくて。