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カテゴリ:おもいおもい
人が ひとらしく生きるということの難しさを噛みしめて。 数ヶ月前から お花屋さんのお姉さんと見にいくのを楽しみにしていた、 「サガンー悲しみよ こんにちはー」を目当てに、銀座へ。 (シネスイッチ銀座は金曜は女性のみ900円!) 18歳で作家デビューし、1作だけで364億を稼いだサガンの処女作 『悲しみよこんにちは』は、22カ国にまで翻訳された。 我侭に、贅沢に、思ったままに豪遊を繰り返したサガンの 69年の生涯。 …この映画を見終わった後、 彼女が本当に欲しいものを 手に入れているようにはどうしても思えなかった。 強く印象に残っているのが、 サガンが最後まで抱え続けた孤独ついて。 劇中で、二人の夫に去られ息子に去られ、最愛の友人を癌で失ったサガンの 「これから一体、誰が私と一緒に寝てくれるの!?」 という、悲鳴にも近い叫びは 私を突き刺した。 彼女と似た強い孤独感を、私も同じように ずっとずっと背負ったまま 生きてきたから。 満たされない幸福感は…そして孤独感は どうすれば埋められるんだろう? サガンの一生は、世界に名が轟くことでも 富でも 名誉でもないと教えてくれる。 …逆に貧しすぎることでも 人を妬みに走らせ、枯れさせてしまいはするけれど。 その答は、とてもとても小さな光のようなもので、 日々の生活の中に ひっそりと こっそりと、隠れているものかもしれないと思った。 今日、色々の慌ただしさを少し忘れて 久々に彼と思いつきで 緑の木々が生茂る川沿いでお弁当を食べた。 何だか凄く気持ちがよくて お弁当も美味しくて、 木々を見上げながら「リッチやな~~」 と、つぶやいていた。 でも 手に持っているのは、298円の鮭&小魚&ワカメご飯のコンビニ弁当@ 彼はその言葉に違和感を感じた様子で、 「リッチって… 違うんじゃない?」 と、問うて来たけれど 多分、この言葉は間違ってない。 例えばこんな、小さなことを幸せに感じられる状態、 人が ひとらしく生きるということの嬉しさを噛みしめられるのは、 ほんの一瞬 なのかもしれない。 そんな時間を常に保てはしない。 現に、同じ時を共有したはずの 私と彼が感じた感覚は違っている。 いかに人を愛しても 分かり合い、語り合い、譲り合い、誓い合ったとしても… 全てはうつろい・変わりゆくもの。 そして サガンの愛したペギーが癌で、そして彼女の父も急病で亡くなったように… 変わらないものも 変わらない人も 変わらない愛もこの世にはない。 それでも と、願う。 …祈る。 私にできることは、 自堕落にせず、感情だけに流されず、隣に在る人達を愛すること… そして、湧きでる想い、悲しみ、喜び それらを線に面に色に託して昇華させて 見送っていくこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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