退職金額を上回る適年
わくわくワークプレゼンターのみのっちです。富山は大雨洪水警報が出るくらいの大雨です。気温も急に冷えていますし、風邪を引かないように注意しなければいけませんね。 さて、今日は適年コンサルについて書きます。通常、適年コンサルは、「積立不足」とか、「運用利回りの悪化」という切り口から売り込むのが常套手段です。以下は適年コンサルの本などに書いてある典型的なセールストーク例です。「御社の退職金規程で計算した退職金額に対し、適年の積立状況はこんな感じです。このままでは、責任準備金相当額にすら達しておらず、15年後には○億円の不足が生じます。この不足をどうやって補いますか?また、運用利回りが悪く、事務費が財政を圧迫しているため、保険料の元すらも確保できないような状況です」 私は、適年コンサルの経験は浅いのですが、それでも、このようなトークには事業主の皆様は高い関心を示すことが分かります。ところが、最近は、このパターンが全く通用しないケースも増えてきました。代表的なものとしては、近年の株式市場好調による運用利率の回復や事業主が早期段階で適年の保険料を増額したようなケースです。 普通に考えればたいした案件でもないかもしれませんが、私にとっては、ある人から聞いたこんな例は難問でした。それは・・・。 退職金規程の支給額<適年の支給額 というパターンです。例えば勤続40年で、退職金規程では、500万円支給となっているのに、適年の退職年金規程では、1,000万円となっているようなケースです。 退職金の額を大幅に上回っているから、一見、問題がなさそうに見えますが、そうではないでしょう。というのは、間もなく定年退職者が続出するため、適年の支給水準が今のままだと、結局財政が枯渇するおそれがあるからです。よって、やはり適年の移行が急がれます。 では、適年をそのままスッパリと解約し、他に移行すればよいかというと、状況はそうではなかったようです。というのは、数年前に適年からの高水準退職年金(一時金)をすでに受け取ってしまっている嘱託社員が1名会社に残っているからです。 もし、退職金規程が500万円だからと言って、適年解約を断行したら、この嘱託社員が良からぬ噂を流すかもしれません。また、退職金規程の額を上回っているからといって、適年を解約しても、果たして従業員の納得は得られるでしょうか? こういう問題は結構悩みます。私の場合、退職金規程を改定して、別テーブル方式の退職金計算を導入します。また、会社への貢献度も反映されるようなしくみを盛り込み、頑張った人は800万円~1,000万円程度、そうでない人は500万円前後という退職金額に設定します。退職金規程の側では増額になるわけですが、適年廃止という一種の不利益変更に対する代償措置としてのものだと説明します。 また、50歳以上の従業員の人には、例えば一律で700万円は保証するというような最低保障を導入することで、なんとか不満を抑えることはできないかと思います。 このような考え方は甘いかもしれませんが、多分私のスタンスはこんな感じになります。もし、バッサリとやってしまったら、社長はわくわくできても、従業員はわくわくできないからです。ただし、そのまま放置すると会社が潰れるようなヤバイ状況であれば、話は違いますが・・・。まぁ、どっちにしても悩みます。【開業までのカウンター】みのっち開業まで・・・あと、78日です!!