negotiator 7
さて、気を持たせて中断していたネゴシェイター・シリーズ、日本全国1億2千万分の約7名の方のご期待にお答えすべく続きを書き飛ばす。タカビー女が官憲と一緒に私たちのところへ帰ってきた。今度は入れ替わりにK子ちゃんが官憲に呼ばれて事故(?)現場へ行く、直後タカビー女の第一声、「ほんとに迷惑だわ!こんなに時間を取られて!!」「・・・・・。」アホらし、喋る気にもならんわ、、、官憲との現場検証で気勢をそがれたのか先程までとは違い若干トーンダウンしているが、態度はあくまでタカビーである。自分の優位性を誇示しようとしているのか、、、K子ちゃんに先輩と従兄弟との電話内容を話したところ、最悪人身事故扱いになっても良いと言ってくれている。また、自身も官憲に対して 「首が痛いですう~~!」 と訴えるそうだ。(女て怖いのぉ~~~、、、)書き切れていないが、先輩の会社の、押さえのエース"藤川君"からも電話を貰い「A部長の直々のご指名なので、がんばります!」という励ましの言葉を掛けてもらっている。「何とか言いなさいよ、あなた、上司でしょ?」私は何が嫌いといっても関西人の使う関東弁が大ッ嫌いである。これは関東の方が嫌いと言う意味ではない、関東の方が喋る関東弁はなんともない。関西人が喋るときのおかしなイントネーションを嫌悪している。いかついISAOさんであれば、この時点で、 「ワレ!ちゃんと喋らんかい!!」 と、ストレートパンチがタカビー女の顔面にめり込でいるだろう。寡黙かつ率先垂範を体現される方である。問答無用と言うやつだ。痛いぞぉ~、、ISAOさんのパンチは、、、岩みたいな手やし、、、アラスカぐらいまで飛んで行くぞ、、、 「人身事故にしたくないんでしょう?早く示談にしましょう!忙しいのよ!」 「ほれ、これでエエか?」と、10円玉でも投げつけてやろうかと思ったが、それも勿体無い。 「そうですね、私も忙しいんで、あのこ(K子ちゃん)が帰ってきたら失礼します。」 「え?何を言ってるの?人身事故にしてもいいの?」 「よろしくお願いします。」 るんるん!笑みがこぼれそうになるのを堪えるのが辛い。ハトが豆鉄砲を喰らったような顔をしている。5秒ほど沈黙の後、 「何を言ってるの?ほんとに人身事故にしてもいいの?」 「はい、よろしくお願いします。」ふんふん!!小躍りしたいぐらいだ。出来れば腰も振りたい。フンフン! 「あなた、事故の加害者の上司でしょ?そんなこと言っていいの?名誉毀損で訴えるわよ!」 お?!今度は、名誉毀損かいな、、、やっぱり法律を知ってる人は言うことが違うなぁいかついISAOさんならこの辺りで、 「なに言うとんじゃ、ワレ?!」 と、前蹴りが相手の鳩尾に食い込んでいるところだ。風林火山という言葉を体現される方である。痛いぞぉ~ISAOさんの前蹴りは、、、ボルネオ辺りまで飛んで行くぞ、、、 「今のあなたの態度は名誉毀損になるのよ!分からないの!?」 ・・・ぜんぜん、分からんけど......。 ・お怪我はありませんか?、・直ぐ病院に行きましょう!・連絡先を教えてください。私の発した言葉で、特に名誉を毀損したものはないだろう、それとも「よろしくお願いします。」が頭に来てるのか?そうなら思う壺だ。 「お言葉ですが、"加害者の上司"と言うのは言葉が過ぎませんか?上司は上司ですが"加害者"というのは度が過ぎているような気がします。状況を鑑みると、私どもが後方から衝突されているようですし、保険会社にも連絡したのですが、この件は司法の判断を仰いだほうが良いだろうと言うことになりまして、先ほど申し上げたように裁判をして頂ければと思います。」 慇懃無礼である。相手のレベルで喧嘩するのは馬鹿らしいが、おちょくるのは楽しい。 「あなた正気なの?私は歩行者よ、車 対 歩行者なら100%車が悪いのよ!!」 「そうですか?自転車に乗ってたんじゃなかったですか?そこのお巡りさんにそう聞いたのですが、、、」 「自転車は歩行者よ!」 ・・・・。苦笑、モンスターとはこんな人間のことを言うんだろうな、、頭に血が上る以前に妙に覚めた自分がいる。まぁ、いかついISAOさんならこの辺りで 「じゃかましいワィ!!!」と、必殺のアッパーカットが顎に炸裂するだろう、相手は半身不随になる。それほどボディーランゲージが得意なフランクかつ質実剛健な方である。痛いぞぉ~ISAOさんのアッパーカットは、、、パプアニューギニア辺りまで吹き飛ばされるぞ、、、 先輩に聞いた話を1から説明してやろうかと思ったが、アホらしいので止めた。話を端折る訳ではないが、そんな不毛な遣り取りを20分ほど繰り返し、頭の隅っこで 「付ける薬は無いのう、、」 と思っていたところへ、K子ちゃんと官憲が戻ってきた。内心ホッとした。別に官憲の顔を見たからとか、K子ちゃんの顔を見たからではない。不毛な会話から一時でも開放されるからだ、おちょくっているつもりだったのだが、僅か20分程度だと思うのだが、その間に強烈なストレスが掛かっているのが自分でも分かった。 官憲の第一声「示談にするんだったら良く話し合ってくださいね。」従兄弟の予想通りだ。思わず唱和してやろうかと思ったほどである。 「現場検証はしましたけど、少し内容に食い違いがあるんで、物損か人身かお互い良く話し合ってください。」 「これは人身事故でしょ!オマワリサン!!」とタカビー女 「・・・。」今日二発目のハトの豆鉄砲だ。喰らったのは官憲である。ま、これでタカビー女の常識が(非常識?)が分かった。その後のやり取りを書き出すと長くなるので割愛するが、人身にするには診断書を取って届け出(一般的にね)なければいけないことを知らないのだ。警察を呼んで調書を取れば人身事故、それを取り下げること(人身事故にしない)が出来るのは、自分だけだと思っていたらしい。こちらが一方的な加害者ならばその考え方もOKだが、本件の場合は事情が違う、強いて言えば逆である。相手のハッタリによってアドバンテージを持たれたが、先輩+従兄弟の分析では最悪でも7:3だ。不謹慎だが、こっちは保険がある。たぶん向こうは無いだろう、肉を切らせて骨を切る覚悟もしている。「あなたも自転車を運転してはったんですから、道交法の適用がありますよ、相手が車ですけど、過失アリですな。どの程度かは私等言えませんけどね。車のほうが100%悪いことはありませんね。それに、私等が来たから直ぐに人身にはなりませんよ。」 今度 豆鉄砲を喰らったのはタカビー女である。 「自転車は歩行者でしょ?!」金切り声だ。アカンわコイツ、、自分の置かれてる立場が分かってない。 逆に豆鉄砲を喰らったのは官憲である。「あなた、言ったじゃないですか?"自転車に乗車中××側道より府道○○○号線へ左折時相手車両左後部に接触"って、違うんですか?!署名もしたでしょ?自転車は軽車両ですから歩行者じゃありませんよ。"それに左後部"と言う事は追突ですがな。それとも押して歩いてたんですか?それなら歩行者ですけど、なんで走ってる車に追突しますのん?」お~~~!なかなか言うやんけ、最後の1行は、苛立ってるのか官憲もタカビー女の馬鹿さ加減に漸く気づいたようだ。言葉も変わり、ムッとしている。先輩+従兄弟の教えに近い解説だ。彼が言いたいのは、「追いかけて行って、当たったんとちゃうん?」だろう。 そこへ従兄弟から電話があった。単純に嬉しい。「あ、H君 どう?さっき聞くのん忘れてたけど調書どっちが先やった?」「向こうが先やけど、、なんやのん?」「あぁ、ほんなら加害者は向こうやヮ、、こちは被害者、よう分かってるやんか、その警官。」「そうなん?今も怒ってるわ、相手 訳の分からんこと言うて、その人怒らしてる」「ベテランやったら臨場したときに分かるもん。何歳ぐらいの人?」「55~6歳かな」「OK,OK、相手に言うたり、被疑者やねんから、あんまり要らんこと言うたら逮捕されるで!って、(笑)その人の所轄署名と電話番号、名前、内線番号聞いときや、安心したわ、何かあったら電話ちょうだい。ほな!」そんな電話をしているうちに、整骨院のメンバーが車に乗って2人現れた、時間が経つのは早い、知らない間に13時半である。合流した2人もK子ちゃんから話を聞いて拍子抜けした様子だ。「とにかく、良く話し合ってください。お二人とも後日こちらから連絡させてもらいますんで、、、」 従兄弟の話を聞いたからか、基本的に官憲は嫌いなのだが、頼もしく見える。この後タカビー女といろいろなやり取りをしたのだが、アホらしくて書き気になれない。今まで書いてきたような考え、言動をとる相手だ。私のしたことは、先輩の会社の押さえのエース、藤川君の直通電話番号を教え、 「人身事故に出来るならどうぞしてください。保険請求の連絡先はそこです。んじゃ!」と言ったことぐらいである。その時に罵詈雑言を浴びせられたような気もする。合流したスタッフの一人が気色ばんだが、嗜めて帰ってきた。