森へ行こう(心とからだと子育てと)

2020/09/15(火)08:34

「大人はヒントを与えるだけでいいのです」

昨日書いた「重いものをぶら下げる」とか「下でクマさんが」というのは正解ではありませんからね。もともと、子どもの「なぜ?」「どうして?」への答え方に正解などないのですから。 ただ私が言いたかったのは「考えるためのヒントヒントを与えてあげて下さい」ということです。 子どもは考えることは大好きですが、知識も体験もありません。そのため、どこからどのように考えたらいいのかが分からないのです。でも、ちょっとしたヒントさえあれば、そこから自分の考えを広げるのは得意なんです。 これは工作や、遊びの場合でも同じです。工作の仕方や遊び方を教えるというよりも、工作や遊び方のヒントを教えてあげればいいのです。すると子どもは勝手に作り始め、遊び始めるのです。 昔の子ども達は仲間と群れて遊んでいましたから、他の子や年長の子がやることを見て、それをヒントにして自分の考えや遊びを広げていましたが、一人だけで遊ぶことが多い現代の子の場合は、そのヒントがないため、考え方も遊びも広がりにくいのです。 大人の目にはテレビやネットの世界にも様々なヒントがあるように思えますが、一方的に流れる映像を、自分自身の現実世界の中でのヒントとして取り込むのは至難の業なんです。 別世界の出来事ですから。 そのため、ほとんどの場合、「ヒント」ではなく単なる「情報」としてしか取り込めないのです。 それは、ヒントを「ヒント」として取り込むためには取り込む「母体」が必要を持っていないからでもあります。 例えば、私が何かを作っていてうまく行かなかったとします。「どうやったらいいかな」と考え続けている時に動画を見ることでヒントを得ることは出来ます。 でも、自分の中に何の課題もない時に動画を見てもヒントは得られません。ヒントを受け入れる母体がないからです。 テレビや動画を見ていて、「こういうの作りたい」という気持ちが起きることはよくありますが、でも、それまでに「何かを作る」という体験を積み重ねていない子は、どうやって作ったらいいのかが分かりません。 失敗しても、どこがどう悪かったのかの分析も、改善も、工夫も出来ません。実体験がないからです。 椅子を作って足がガタガタでも、しょっちゅう作っている子はどこが悪かったのかがすぐ分かるのですが、大人の指導と手助けで作った子は、どこが悪くてガタガタするのかが分からないのです。原因が分かったとしてもどうしていいのかが分かりません。 テレビや動画がヒントになるためには、実体験という受け皿が必要になるのです。 そして、実体験を促すためには作ったり、遊んだりするヒントが必要になるのです。 でも、大人は、ヒントを与えるのではなく、正解を教えようとしてしまいます。「車のタイヤはこう作るとクルクル回るよ」とヒントを与えるだけならいいのですが、「車はこうやって作るんだよ」と、作り方まで教えてしまうのです。 すると子どもは急に嫌になってしまうのです。子どもは押しつけが大嫌いですから。 ヒントを与えるのは非常に大切です。 でも、「それを取り入れるか取り入れないか」とか、「実際にどう使うのか」というようなことは、子どもに任せた方がいいのです。 そうでないと、子どもは「自分の頭で考える」とか、「自分と対話する」という機会を失うことになります。 *********** noteの方の記事を更新しました。 新しい記事を三本書きました。 ・子育ては子ども理解から ・年齢による違い ・心ではなく感覚に働きかけるのです。 最初の一本は無料ですが、二本目以降は有料(100円)になります。 https://note.com/morinokoe?fbclid=IwAR3n5e-sl18rc5glyIQkJijvbiQfXa8KnG26t7QHIkV4VfrHGsN7Xjo9ERM

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