結婚している男性の趣味・道楽の障害になるのが妻の存在と言う話はよく聞く。男の趣味を妻が理解せず、出費を許可してもらえないという愚痴は様々な趣味で聞く。好きという感情は極めて個人的なもので他人に理解されないのは当然だ。まして男女の嗜好は相当に異なるから夫婦であっても相手の趣味が理解できないのは普通の事だ。相手を説得できなければ趣味に出費ができないということになると、ごく穏当なことしかできなくなる。
私は結婚後早々にそのことを理解した。ここで道は1.離婚する 2.趣味・道楽をあきらめる 3.説得する という選択肢があったわけだが、私は 3.説得する という方法を考えた。それが、小遣い制度の整備なのだ。高価なプラモデルとか自転車にカミさんが反対する理由はただひとつ、金だ。夫婦で共同の家計を運営しているのに、カミさんが理解できないものに高額の出費をすることが許せないのだ。この部分をなんとかすれば、プラモデルを作ったり自転車に乗ったりすることに反対ではないのだ。
そこで夫の小遣いを定額とし、その小遣いの範囲で何を買おうが妻は口出ししない、ということを納得させた。次の段階として、夫の小遣いは完全な小遣いとするということを納得させた。つまり必要経費は家計で、ということを徹底させる。基本はカミさんに弁当を作ってもらっていたが弁当のない日のランチ代は家計。仕事に関連するもの、つまり専門書やパソコン、職場の宴会(私は最小限しかこういうものに参加しない)は家計。さらに夫婦共通の趣味である音楽演奏の費用、つまりチェロの弦や弓の毛替えや楽譜代も家計。そのルールを納得させるには、小遣いの額を家計に無理のない範囲に圧縮する必要があったが、それは飲む。最初は月に1万円だったと思うが、それが毎月完全に自由にカミさんの口出しを受けずに使えるのなら大いなる進歩だ。ボーナス時にはいくらか別に小遣いを取ったがその額はその都度相談していた。その後、専門学校で教えるアルバイトが始まったが、カミさんと相談してその収入はすべて家計に入れる代わりに小遣いの額を少し上げることにした。関西の大学に移動したときに収入が増えたので、この時も小遣いの額を上げた。そして退職した時に少し下げた。
この小遣い制度を整備したことのメリットは測り知れない。互いの精神衛生に大きな貢献をした。結婚してから始まった趣味・道楽はたくさんある。スポーツ自転車、楽器製作、ラジコン飛行機、スポーツカー、今回のバイク。どれもかなりの出費を伴うものだが、すべて小遣いでやってきたのでカミさんは一言も文句を言わなかった。買いたいのに小遣いの貯金が足りない時は家計から借金をして毎月返済する。これはチェロの弓を買ったとき(高価過ぎるということでカミさんが反対したので小遣いで購入することにした)に導入したシステムだが、約束通り完済したことで信用を得た。
趣味への出費を妻に反対されている男性にはぜひお勧めしたい。
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Last updated
2019.11.20 21:31:05
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