ドイツ・アイスワイン収穫に成功
12月2日、ザンクト・ウルバンスホーフ醸造所がザールのオックフェナー・ボックシュタインで収穫した葡萄。(Foto: DWI Deutsches Weininstitut)DWIドイツワインインスティテュートの報告によれば、昨12月2日早朝、ドイツ各地でアイスワインが収穫されたという。既に11月30日早朝、バーデンのオーバベルゲン醸造協同組合は氷点下7度で凍結したヴァイスブルグンダーから、アイスワインとなる果汁糖度170エクスレのモスト400Literを得たが、今朝はフランケン、ラインガウ、ラインヘッセン、モーゼル、ファルツでもアイスワインが収穫された。3日早朝にさらに厳しい低温が期待されることから、醸造所によっては2日の収穫を見送ったところもあるそうだ。ドイツのアイスワインの生産は、氷点下7度以下の自然の低温で、樹上で葡萄が凍ることが条件となっている。そして低温になればなるほど葡萄は硬く凍り、圧搾時に果汁の水分は流出しないので、エキスのように濃縮されて糖度の高いモストを得ることができる。凍結した葡萄の圧搾は歩留まりが悪く、通常の5~10%前後の量しか取れないが、それだけに非常に濃厚で凝縮した味わいとなる。「今年のアイスワインの収穫量は、2010年産全体と同様に例年を大幅に下回る見込みで、アイスワインの収穫のリスクに賭けた生産者はごくわずかだ。それだけに、この早い時期の凍結で彼らの志が報われたのはうれしいこと」とDWI代表のモニカ・ロイレ。アイスワインを収穫するには、葡萄を樹上に残して十分な寒気が訪れるまで待たなければならないので、残した葡萄が全部無駄になることもある。大抵は細かい穴の開いた専用のポリシートやネットで葡萄を覆い、雨や嵐から守り、鳥やいのししに食べられることを防ぐ。例年12月に収穫されるが、翌年1月まで待つこともある。一般に収穫時期が早いほど房の痛みが少なくアイスワインは高品質とされるから、2010年産のアイスワインは大いに期待してよさそうだ。今日までに収穫した醸造所のリストがDWIのサイトにある。フランケンではユリウスシュピタール醸造所、モーゼルではマルクス・モリトール醸造所(120Liter, 150エクスレ)、ザンクト・ウルバンスホーフ醸造所、ラインガウではバート醸造所(100Liter, 146エクスレ)、J. ケーグラー醸造所(ca. 70Liter, 162エクスレ)、ラインヘッセンではシャーレス醸造所(ca. 700Liter, 184エクスレ)、ルイ・グントルム醸造所(650Liter, 203エクスレ)など。リストは逐次更新される。