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今年に入って、木曜日は「一日お勉強日」になっている。
昼間、ロシア語。授業はもちろん、その直前まで予習しないとならない。 コツコツ準備できない私は、授業の前は大抵夜中の2時3時まで宿題やってる。 三十路後半、こういう生活は体力的にしんどすぎる。 とりわけモスクワに来てから、夜更かしが基本的にできなくなってしまった。 同じような症状を訴える友人知人は実に多い。 「日本にいるときはバリバリ仕事までしてたのに、この体力のなさはナンなの?」とグチをこぼしあったときの結論は『活動時間帯に日本とは違う緊張感とストレスを抱えているからだろう』というもの。 秋から冬は日照時間の短いことも大いに影響している気がする。 ロシア語の授業が終わり、そのまま宿題や復習をする気になれないほど脳ミソを酷使した状況でところで、コドモのお迎え。 木曜日はだいたいここで初めてシャバの空気を吸う。 外気にふれるって気持ちイイぞ~。 で、空腹でグッタリなコドモにおやつ代わりにご飯を1膳与える。 クッキーやおせんべい類では、さすがに男の子のおやつはまかなえないくなってきた。 私もここで遅すぎる昼食を食べることが多い。 今日は「ゆず茶漬け」(あまりの美味しさに我が家では「18禁」扱い)。 このままベッドで眠れたらイイのに…と思う頃に、コドモの英語のカテキョ-・イリーナ嬢がやってくる。 「今日は疲れたー」とこぼすコドモを叱咤激励している私自身が、この時間は一番萎えてる、ってか。 イリーナ嬢のレッスンは、英語とロシア語のみ。 彼女の英語が分からないとコドモはすぐにロシア語で聞き返すので、「ロシア語は禁止!」とよく言われている。 モスクワに来て初めて本格的に習い始めた英語。 親の私がひいき目に見ても、本当にノロノロ歩みだった。 相変わらずローマ字とロシア語がミックスしたような創作英単語を平気で書いている。 とはいえ、聞き取りの力だけはビックリすることがある。 今日は「何もない部屋の絵に英語でヒアリングした通りの位置にいろいろな家具や物を置いて行く」というアクティビティだったが、 ホゲーッとしながらも(それは生まれつき)、長い長い説明文をすんなり聞き取っていた。 相変わらず「○○ってロシア語の××のこと?」とコッソリ聞いていて、怒られていたけど。 英語の歌も、きれいな発音で 留学やホームスティにせよ、家庭の事情にせよ、 海外暮らしがあると間違いなく外国語(それも「英語」)をラクに習得して帰って来ると思う人は、実に多い。 自分自身、似たような思い込みがあった。 帰国子女ならネイティヴスピーカーで「当然」みたいな誤解。 滞在地がどこであれ、帰国子女の人達は「英語」をマスターしていると思い込んでたのは、実はとても失礼だったのだ。 場所によって公用語や日常使用言語が違うなんてフツーに考えればごく当たり前のことを、どうして間違っていたのだろう。 でも、初めて海外で暮らして分かった、とても簡単なこと。 帰国子女と呼ばれる子ども達が難なく現地語をマスターしているわけではない、ということ。 大人も子どもも、みんな苦労し努力しているのだ。 年齢が上がれば上がる分、必要になるボギャブラリーもレベルが高くなる。 日本語だけに慣れた時間の長さが仇になることもあるだろう。 小さい子どもは訳が分からないかもしれない。 とはいえ、若い頃のほうが吸収力もいいに違いない。 でも、めげずに懲りずに、それぞれの生活の中で勉強をする。 なぜなら、言葉がしゃべれないと豊かな気持ちで生活できないことを痛感させられるから。 相手の言いたいことを理解したいのにできない悲しさ。 自分の言いたいことを言えない不満。 理解できない言葉だけが目の前を飛び交う不安。 他人とのコミュニケーションが何だか分からないうちにすべて終わっていく虚しさ。 この言いようのない閉塞感を打ち破りたいがために、 机の上で、または生活の中で勉強しようと思うのだろう。 また、異文化の中での生活に関しても「子どもだから新しい環境にすぐ慣れるよ」と簡単に片付けるのも間違い。 新しい環境に慣れるために、子どもには子どもなりの葛藤がある。 苦労など知らないように見える幼稚園児(ロシア現地の幼稚園に入ることが多い)たちも、 社交的で明るく人付き合いが上手に見える子どもたちでも、それぞれの世界で頑張っているのだ。 ロシア語で優しく話しかける通りすがりのおばあさんをじっと見つめて、 「おばあさんのお話ししてることが全然分からない」と、 涙をいっぱいためて言う幼い日本人の子。 こんな小さい子でも、一生懸命話しかける人の言いたいことを理解できない自分へのもどかしさを痛感するのだ。 帰国子女でも「英語」を話さない(話せない)人がいる。 必要に迫られなかったがゆえに現地語を知らずに過ごす人も。 ちなみに、受験に関しても、今や首都圏(東京)ではメリットがほとんどないらしいです(涙) がんばれ、帰国子女! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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